バットを振り込むソフトバンクの真砂=宮崎市の生目の杜運動公園で2017年2月7日午後5時2分、角田直哉撮影
ソフトバンク・真砂勇介(まさご・ゆうすけ)外野手(22)
日が傾き始めた午後4時半。人けが無くなったメイン球場に姿を現した。豪快なフルスイングで打ち続けること45分。最後は特大の柵越えで締め、長い一日が終わった。「手応えはないが、体はよく動いている。どんどん追い込みたい」。プロ5年目。今年が勝負の年と気合が入る。
京都・西城陽高から2012年のドラフト4位で入団。1軍出場はまだないが、昨秋のU-23ワールドカップが転機となった。4番に座り、打率3割8分7厘、4本塁打、14打点をマークしてMVPを獲得。チームも初代王者となり、注目が一気に高まった。
光るのは抜群の身体能力だ。俊足に強肩。フリー打撃では鋭い当たりで軽々と外野手の頭を越す。コーチからは「まるで右のギータ(柳田)」と評され、「ミギータ」の愛称が定着した。走攻守に万能だが「まずは打撃。そこを磨かないと、上には残れない」。キャンプでは朝から晩まで打ちまくる。
ある日、打撃練習中にスタンドの子供から「そこの64番、何て名前?」と声をかけられた。「今は仕方ない。1軍で結果を出して、いつか名前を呼んでもらえる日がくればいい」。その日を夢見て、懸命にバットを振る。【宮崎・角田直哉】