どうも野鳥大好きなはるです。今回は野鳥の話を少ししていきたいと思います。
みなさんコマドリってご存知ですか?名前だけなら有名だと思うんですが...。
とりあえず知らないって人のためにざっくり紹介しますね。
夏の山間部で「ヒンカラララ...」という美しい声でさえずる赤くてかわいい鳥です。以上!!
僕も実際に見たことないんで撮影した写真とかありません。ググってください。
名前の知名度とは裏腹に実際のフィールドで観察するのは少し難しい鳥です。世界的には珍しい鳥で日本と中国の南東側のごく一部のみに生息する鳥です。
で、今回のメインであるアカヒゲという鳥なんですけど、こちらは名前すら聞いたこともないという人が多いんじゃないでしょうか?
けっこうマイナーな鳥です。おまけに生息地が限られているためバードウォッチングが趣味な人でも見たことがない人も多いはずです。
大きさや色合いなどは非常にコマドリに似ているのですが、オスの顔からのど元にかけてが黒いことが特徴の鳥です。
今回はこのアカヒゲとコマドリの話をしていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いしますね。
生息地はどこ?
まずはコマドリについて。コマドリは分布域的には世界でもかなり狭い鳥ですが、一応渡りを行います。冬は海外で、夏は日本で繁殖する感じですね。
繁殖地は本州の山の中とかが多いみたいです。九州ではほとんど見かけないですね。
で、これは渡りを行う亜種コマドリの話で渡りを行わないコマドリもいます。こちらは日本固有亜種になりますね。
亜種タネコマドリといいます。生息地は伊豆諸島や屋久島、種子島だそうです。
それに対してアカヒゲは日本固有種です。コマドリとは違って亜種まで含めて日本固有種ですね。
生息地も島嶼に限られていて男女群島、トカラ列島、奄美大島、徳之島、沖縄本島に分布し、先島諸島に一部の個体が越冬するために渡るようです。
ちなみに種子島、屋久島にも分布しているようですがほとんどみられることはないようです。実際話もほとんど聞きませんし本当に分布しているのかちょっと疑問ですね。
ですが本当に分布しているなら屋久島と種子島はアカヒゲもコマドリも両方とも分布している世界的にもかなり珍しい島と言えますね。
餌はなにを食べるの?
蝶だったり、バッタだったり、ゴキブリだったりとりあえず虫系はなんでも食べるようです。それに加えてミミズ類などの無脊椎動物なども捕食するみたいです。
地面を深く掘り返したりするわけではなさそうなので地表の虫系がメインみたいですね。
ちなみに果実を食べることもあるようなのでやっぱりなんでも食べるようです。
アカヒゲとコマドリの種の分化
この2種はDNA的にもかなり近い種のようです。
どのあたりの時代で分化したのかはわかりませんが古代の沖縄トラフによる隆起が起こった時代とアカヒゲコマドリが分化した時代はほぼ同じという話もあるようです。
この話が本当だとすると隆起によって渡りをしないタイプのコマドリが島嶼部に取り残されてしまったことと、隆起によって強制的に生息環境が変わってしまったことが原因でコマドリから分化したとも考えられますね。
コマドリは渡り鳥なのだから島嶼部に残されても別の場所に渡ればいいじゃないか、とも考えましたが屋久島、種子島に分布するコマドリは留鳥です。
あくまでぼくの考えなんですけど屋久島、種子島以南に生息していたコマドリは渡りをするタイプのコマドリではなく留鳥性のあるコマドリの亜種だったのではないかと思うんですよね。
渡りをしないタイプの鳥が取り残されてしまえば生き残るためには環境に適応するほかないじゃないですか?
こんな感じでコマドリからアカヒゲという種が分化していったんじゃないかなーと。
男女群島に生息しているタイプに関してはわからないですけど、もしかしたら島嶼部に生息するコマドリ自体が留鳥性が強いのかもしれませんね。
アカヒゲの亜種はどんな感じ?
アカヒゲには亜種アカヒゲと亜種ホントウアカヒゲという二種が存在します。
亜種ホントウアカヒゲは沖縄本島にのみ生息し、留鳥です。それに対して亜種アカヒゲはそのほかの地域に生息しています。
他には亜種ウスアカヒゲという亜種が先島諸島に存在するという話もあったのですがこの亜種は冬季にしか観察されないこと、先島諸島での夏季のアカヒゲの繁殖記録はないことからこの亜種ウスアカヒゲは別の地域の亜種アカヒゲが渡ってきているのだろうという考えが有力のようです。
環境省のレッドリストではこの亜種ウスアカヒゲは情報不足となっています。
ちょっと話は変わるんですけど、種の分化で留鳥性のコマドリが取り残されたからアカヒゲに分化したんじゃないかって話を上で書きましたよね?
ならその分化した後のアカヒゲも留鳥なのではないかとも思いますよね?。
その考えにちょっと反論してみたいと思います。あってるかは知りませんし、そもそも分化の話も間違ってる可能性の方が高いですがまあ小話程度に聞いてください。
まずこの渡りを行うタイプのアカヒゲの個体が多いのはトカラ列島や男女群島です。
島の大きさを比較してみると男女群島各島<トカラ列島各島<奄美大島・徳之島<沖縄本島となります。
で、男女群島とトカラ列島の亜種アカヒゲはほとんどの個体が渡りを行います。
それに対して奄美大島・徳之島の亜種アカヒゲは渡りを行うのは半分程度の個体で、残りの個体はそのまま同じ島に残ります。沖縄本島のものは亜種が違うとはいえ、すべて留鳥です。
何が言いたいかというと生息している島の大きさが小さくなるほど渡りを行う確率は増加するんじゃないか、ということが言いたいのです。
理由は狭い面積の島では増えたアカヒゲが居残り続けるには生息環境や食料が足りなくなったとかが妥当でしょう。
高校生物の授業の成長曲線とかもありましたよね。一定以上の個体数から増えなくなるやつです。ですが彼らは鳥なので、環境が一杯になったらそのまま死ぬよりは飛んでどこか別の環境を求めるだろうと思います。
ではここで疑問なのは種子島・屋久島です。ここにも亜種アカヒゲは分布していますし、しかもそんなに小さい島ではありません。
ですが種子島・屋久島には留鳥性のコマドリが分布しています。環境の変化からアカヒゲはコマドリから分化していったんじゃないかということも上で書きました。
この考えが正しいのなら、アカヒゲへと分化していないコマドリが分布している種子島・屋久島ではコマドリのまま分布できる環境があったと考えられます。
つまり本来この2つの島でコマドリから分化したアカヒゲが生まれるはずはないのです。
ということはこの島にアカヒゲが生息している理由はコマドリから分化して現れたわけではなくて他の島から渡ってきたと考えるのが妥当だと思うのです。
種子島・屋久島はトカラ列島に近いので渡ってきたといわれても違和感はないです。それにトカラ列島は小さな島も多いので環境が個体数に対して狭くなってしまった可能性も十分ありますよね。
考察まとめ
考えたことは2つです。
- 生息している島の大きさが小さくなるほど渡りを行う確率は増加する
まともに研究しているわけでもないのでこの理屈が完全にはずれなのか、それとも当たらずとも遠からずなのか、パーフェクトな答えなのかはわかりませんがこんな風に考えを巡らせるのは楽しいですね。
人に話してもどうでもいいって顔されるのがオチなのでブログに書いてしまいましたが、とっても楽しかったです。
ではこのあたりで今回の話を終わろうと思います。