画像は「Daily Mail」より引用
学校や職場、どこにでも周囲から“怠惰”だと思われ、疎まれている人はいるだろう。怠惰な人は愚鈍な印象を抱かれがちだが、怠惰のイメージが一変しそうな研究成果が発表されたという。自ら怠け者であると自覚している人にとっては朗報かもしれない。最新の研究によると、なんと知的な人ほど怠惰である傾向が強いというというのだ! 様々な分野の知的発見を提供するウェブサイト「Big Think」が1月5日付の記事で紹介している。
■研究では“認知欲求”と“身体活動”の相関関係を探った
記事によると、フロリダ・ガルフ・コースト大学の研究チームは、認知欲求と身体活動の相関関係を分析するため、60人の学生を対象に認知欲求を測る簡単なテストを実施した。認知欲求とは、知らないことを知り、好奇心を満たしたいという人間なら誰もが持っている欲求の一つ。
テストは、被験者が「私は新たな解決方法を考え出して、問題を解決することに喜びを感じる」などのお題に対して、「はい」か「いいえ」で回答するというもの。このテストによって、思考することにどれだけ楽しさを感じているか、言い換えると認知欲求の高さを測ることができる。もちろん、これはIQテストのように知能指数を測るものではなく、「認知欲求が高いからといって、高い知性を持っているということにはならないのではないか」と思われるかもしれないが、実はその傾向が強そうなのだ……。
画像は「Daily Mail」より引用
研究チームは、さらに被験者が日常生活の中でどれだけ身体を動かすかについても曜日ごとに計測。認知欲求が高い人と低い人をグループに分け、それぞれの平均値を算出した。その結果、認知欲求の高い人ほど、著しく活動レベルが低いという結果が得られたのだ。
この研究成果のレポートを作成したトッド・マケロイ氏は、これまでの研究で明らかになっていた「認知欲求の低い人は、退屈に対する忍耐力が低い」という点を改めて指摘する。つまり活動的な人は、退屈である思考の穴埋めをするために、刺激を得る手段として身体活動を必要としている可能性があるというのだ。これに対し、認知欲求が高い人は、思考すること自体が楽しいので、身体活動という気晴らしを必要としないのだと考えられるそうなのだ。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるように、人は好きなものに対しては熱心に努力することができるので、上達も早い。認知欲求の高い人は、気晴らしを必要とせず、思考自体を楽しんでいるようだ。はたから見ると、何もせずにぼうっとしているように見える人は、活動的な人に比べ高い知性を持っている可能性が高いと言えそうなのだ。
記事の内容もだけど、筆者の「動くのを嫌がり、一日中テレビを見ているような大人は
果たして知的であると言えるのか」という仮定の立て方も、おもしろいね。
対象のとらえ方や見るテレビ番組によっては、NonともOuiともどちらともいえるけど、
それ以上に、たしかに「知的」の定義というのは難しいと思う。
博識であっても無教養な学者というのはふつうにいるし、低学歴だが教養があるような
人もふつうにいて、「高学歴イコール知的」といった非常に短絡的な通念も、社会には
いまだに蔓延っているわけで・・・ IQが高いだけの人より EQが高い人のほうが社会
的に成功する傾向にある、といった研究結論もあるようだけど。