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ABC分析とは

 ABC分析、または「重点分析」とも呼ばれ、原材料や製品在庫の管理に使われる手法です。

 在庫の資産価値などを重要度別に管理する手法である。

 品質管理におけるパレート分析に類似している。

分類の手法

 製造業などで、数千〜数万ある「原材料・仕掛品・製品」を管理運用する時に、より効率的に管理するために、「原材料・仕掛品・製品」のそれぞれの金額(品数x単価)を算出し所要金額の大小でグループ分けにします。

 単価ではなく、金額で計算するので、単価が高くて数が少ないものよりも、単価が低くても大量に扱える「原材料・仕掛品・製品」の方が重要である。

 一般的にこれらの「原材料・仕掛品・製品」を金額の高いものから並べていくと、最初の10~20%の点数で所要金額の80~90%を占める。

 「原材料・仕掛品・製品」グループ分けは金額の大きいものから「A;重要管理品目、B:中程度管理品目、C:一般管理品目」に分けるのが一般的である。グループの分類比率が特に決まっていませんが、一般的にA 10%、B 20%、C 70%の割合が利用されている。

 よって、品数は多いが、A,Bに分類されている「原材料・仕掛品・製品」を管理すれば費用対効果は大きいといえる。

 管理する「原材料・仕掛品・製品」が多い場合などはグループを細分することで、より詳細な管理が出来る。

パレート図とは

 ABC分析で使われるデータをグラフ化していきます。一般的にABC分析のデータはパレート図で表されます。パレート図とは値が降順にプロットされた棒グラフと累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフです。

パレート図の作成

 それでは実際にパレート図を作成していきましょう。手元に生産管理のデータが無いので2011年度の世界の名目GDPランキングを使用して説明します。

データの取得元は世界経済のネタ帳のページ「世界の名目GDP(USドル)ランキング」からです。

1.それでは順番に説明していきます。まず、必要なデータを作成します。ダウンロードしてきたデータには累積金額と累積比率がありません。列を増やしてデータを作成しましょう。今回のデータは初めから金額が降順に並んでいるから問題はありませんが、他のデータを利用する場合は金額を降順に並べてから作業を開始しましょう。

パレート図の作成

2.1で作成したデータのうち、必要なのは国名称、金額、累積比率だけです。わかりやすいように不要なデータは削除しておきましょう。

データの作成、整備

3.データの一部をクリックしておき、「メニューバー」-「挿入」-「グラフ」をクリックします。「グラフウィザード-1/4」が表示されるので、「ユーザー設定」タブの「2軸上の折れ線と縦棒」を選択します。データの設定状態が間違えていない限り右側のサンプルを見ればパレート図が出来ています。

グラフの種類

4.「次へ」を押して「グラフウィザード-2/4」に進みます。今回は初めから不要なデータを削除していたのでデフォルトで問題ありませんが、通常他のデータも残ったままだと思います。そのときは必要なデータ、「名称」「数値」「累積比率」の3つを指定してください。

グラフの元データ

5.「グラフウィザード-3/4」です。ここからは普通のグラフの作成と同じ手順です。タイトルやラベル、軸・・・お好きなようにカスタマイズしてください。

グラフオプション

6.「グラフウィザード-4/4」ではグラフの作成場所を選択できます。今回はオブジェクトとしてグラフを作成します。

グラフの作成場所

7.出来上がったグラフとデータです。データを作成中にもうわかったと思いますが、183カ国中、上位20カ国で全体の9割のGDPを創出しています。世界で見るとやはり貧富の差は激しいです。

 ちなみに世界のGDPを作成した後にデータ数が多くてわかりにくいので、国内の都道府県別のGDPもグラフ化して考察してみました。

 しかし、国内では予想に反して上位の1〜2割が全体の8割〜9割を占めるような結果が得られませんでした。

 ABC分析的には世界のGDPの方が理想的なデータが出ているので採用してみました。興味があれば国内のGDPをグラフ化してみましょう。

世界のGDPデータ

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