韓国大統領選:開城工業団地再開を主張する候補者続出

企業が人を介し、総局に現金を送り届けることはできるが、2321号決議はまとまった現銀が北朝鮮の核・ミサイル開発に転用される危険性に注意を求めている。

 韓国政府高官は「大量破壊兵器の開発に転用されない点が証明できないと、現金を支払うことはできないので、事実上の禁止だ」と述べた。その上、韓国政府はかなりのドル資金が核・ミサイル開発を指導する労働党指導部に渡ったとみている。現金ではなく食料など現物で支払えば、国連安保理違反には当たらない。高麗大の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「物資で払うといっても、北朝鮮が受け入れる可能性はない」と断じた。北朝鮮は過去に韓国メディアが金剛山観光の代価を現物で支払う構想に触れるたびに「おかしな発想だ」「話し合う価値もない」と一蹴してきた。

 2321号決議は対北朝鮮貿易のためのあらゆる公的・民間の金融支援を禁止しており、輸出信用、保証、保険などを例として挙げた。韓国政府が工業団地進出企業に金融上の優遇策を取ることはできなくなった格好だ。これまで政府が進出企業に貸し付けた施設資金、工場運営資金は2835億ウォン(約281億円)であり、工業団地の操業中断時に支払った経済協力保険金などが6650億ウォンに上る。進出企業以外から「優遇し過ぎ」との声が上がるほどさまざまな支援があり、規模も大きかった。政府関係者は「さまざまな金融支援は政治、安全保障の状況によって、工業団地に支障が生じることにそなえた『安全弁』の役割を果たした。これがなくなれば、工業団地が再開されても進出する企業はないのではないか」と指摘した。

 また、2270号決議は北朝鮮に出入りする貨物に対する全量検査を義務付けている。開城工業団地は正常稼働していた当時にも全量検査にこだわる北朝鮮の通関手続きに進出企業が不満を抱いていた。進出企業関係者は「南北双方で原材料、完成品に対する全量検査を受けるとなれば、納期を守ることが難しくなり、企業活動は不可能だ」と話した。

李竜洙(イ・ヨンス)記者 , キム・ミョンソン記者
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