■国際社会の協調にも逆行
開城工業団地の再開に賛成する勢力は南北関係改善の必要性を主張する。野党関係者は「李明博(イ・ミョンバク)政権が北朝鮮による天安爆沈事件、延坪島砲撃があっても工業団地を維持したのは、工業団地が南北関係のてこの役割を担っていたからだ。それを放棄したのは戦略的に愚かだった」と指摘した。一部からは「開城工業団地は安保理決議に摘示されておらず、『民生用の例外』に該当するため、再稼働が可能だ」との声もある。
韓国外交部(省に相当)関係者は「開城工業団地にはプラスの側面も確かにあるが、工業団地を維持したとしても、結局は2270号決議で強制的に閉鎖せざるを得ない状況だった。当時政府内部には『どうせ閉鎖するなら韓国側主導で』という意見が主流だった」と振り返る。開城工業団地が民生用の例外に該当するとの主張について、外交部関係者は「民生用の例外は北朝鮮との石炭、鉄、鉄鉱石の取引に限られるものだ」と説明した。
専門家は韓国が開城工業団地の再開を目指せば、国際社会による北朝鮮制裁の協調体制に逆行するだけでなく、外交問題に発展しかねないと指摘する。西江大の金載千(キム・ジェチョン)教授は「開城工業団地を再開すれば、やっとのことで形成された国際社会の対北朝鮮制裁の協調に深刻なひびが入る」と警告した。