【いつまでも解決の見通しのつかない「北朝鮮による日本人拉致問題」】

 【自分の個人的な利害のためにのみ,拉致問題を,政治的に利用した『安倍晋三の悪知恵』をみぬけないでいる日本国民側の単純素朴さ】

 【ブルーリボンバッチの意味?】

 【「救う会」が国民から集めてきた支援金の使途不明」にみる,同会における不明朗な会計問題】


 ①「安倍首相は解決を望んでいない!? 北朝鮮による日本人拉致問題の「闇」」(不破利晴稿『MONEY VOICE』2016年7月10日)の要旨
蓮池透画像
 北朝鮮による日本人拉致問題の被害者である蓮池 薫の実兄,蓮池 透の著わした『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)は歯に衣着せぬ快著である。この “冷血な面々” について,蓮池によれば,蓮池自身もそれに含まれているようだが,ともかくこの  “面々”  については,一度整理しておく必要がある。以下,整理されたその要点を3点になるが,以下ではとくに注目したい段落である★-3からのみ,じかに引用しておく。
 出所)画像は,http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/63ce46d219419a1bd2a640ddb7020f2e

 ★-1 致命的だった各県警の捜査ミス

 ★-2 拉致被害者は政治家の「集票マスコット」

 ★-3 安倍首相は日本人拉致問題の解決を望んでいない

 --内閣総理大臣を本部長とする「拉致問題対策本部」は,実際の実務は各省庁からの出向者が担当している。もちろん,拉致問題にきちんと向き合おうとする者もいないわけではないが,3年程度の任期ではインセンティブが働きようもなく,柔軟な考え方も上層部に上げられるにしたがい,否定されてしまうようなのだ。

 そして,その上層部の長たる拉致問題担当大臣も,組織の発足当初から何人交代したのか,正確な数字をいえる者は皆無だろう。実質的にこの大臣というポストは,政権を担う政治家のアクセサリーのようでもある。このことは,拉致問題の最上層に位置する総理大臣,安倍晋三の拉致問題に対する「本気度」を象徴して余りある。
 補注)このあたりの論点については,「めぐみさん拉致,進まぬ20年 今も考える『防げた可能性』疑惑最初に取材,石高健次さん」(『朝日新聞』2017年2月3日朝刊34面)が参考になる。ここではこの記事の本文部分ではなく,追補的に記事にされていた段落(現国会議員の意見)を,つぎに画像資料をもって紹介する。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
『朝日新聞』2017年2月3日朝刊34面社会拉致問題報道
 蓮池 透にいわせれば,安倍首相が本気で拉致問題を解決したいと思っているのか,はなはだ疑問であるというのだ。というのも,安倍首相こそが拉致問題を利用してのし上がってきたと,蓮池はそうみているからだ。
蓮池透拉致被害者表紙3    いままで,拉致問題は,これでもかというほど政治的に利用されてきた。その典型例は,実は安倍首相によるものなのである。まず,北朝鮮を悪として偏狭なナショナリズムを盛り上げた。そして右翼的な思考をもつ人びとから支持をえてきた。

 アジアの「加害国」であり続けた日本の歴史のなかで,唯一「被害国」と主張できるのが拉致問題。ほかの多くの政治家たちも,その立場を利用してきた。しかし,そうした「愛国者」は,はたして本当に拉致問題が解決したほうがいいと考えているのだろうか? これも疑問である。
 註記)蓮池 透『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』より。
 北朝鮮による日本人拉致問題に対する安倍首相の世間のイメージは,それが稚拙なものであったとしても,当初からこの問題に対しては強弁な姿勢で臨んできた,といったものではなかろうか。あくまでも拉致被害者奪還にこだわり,平壌でも日本人奪還を主張したとされている。ところが,この本を読めば事実はまったくそうではないことに気づかされる。安倍首相は拉致被害者の帰国後も,一貫して彼らを北朝鮮に帰らせることを既定路線にしていたのだ。

 ★-4 安倍首相「蓮池さん,国の不作為を立証するのは大変だよ」薄ら笑いも

 安倍首相にとっては,つねに北朝鮮を仮想敵国として据え置いておく方が,むしろ自身の政治的浮揚へ追い風となる,ということであろう。
      「拉致被害者支援法(北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律)」は,弟が帰国した2002年11月,安倍晋三衆議院議員らが中心となり国会に提出され成立した,議員立法である。この法律により,帰国した拉致被害者は国によって衣食住が手厚く補償されているという噂が流布している。しかし実態は,まったく異なる。
 註記)『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』より。
 本書には,帰国した拉致被害者の「金」に関する生々しい記述がある。国からは被害者1人あたり月額13万円ほど支給されているが,これは他に収入が発生すると減額されてしまうものである。生活保護程度の額でしかないのだが,これでも国会審議では13万円は高すぎるとの声が上がった。

 拉致被害は国の不作為が多分にして指摘されており,蓮池は「国の不作為を問い国家賠償請求訴訟を起こしますよ」と安倍首相を追求したことがあった。その時の安倍の反応はといえば,薄ら笑いを浮かべながら,こう答えたという。「蓮池さん,国の不作為を立証するのは大変だよ」。蓮池の書いた『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』は見事なタイトルだと,そう感じた瞬間であった。
 註記)http://www.mag2.com/p/money/17290
    http://www.mag2.com/p/money/17290/2
    http://www.mag2.com/p/money/17290/3

 ②「北朝鮮拉致被害者家族の本音 拉致問題未解決で安倍首相非難,蓮池 透氏が家族外交などを提案」(『SPECIAL FEATURE!』記述日時不詳なので,末尾にアドレスのみ記すが,文意からすると,① と同じ2016年中の記述)

 1)北朝鮮による拉致被害者問題が政治に翻弄されてきた
 2002年9月の小泉訪朝による日朝首脳会談から14年,北朝鮮による拉致被害者の再調査を含めた日朝政府間の「ストックホルム合意」から2年。その間,拉致問題はなんら進展していない。被害者・家族らの期待は裏切られつづけている。「その原因をつくってきた張本人が,小泉訪朝に同行した官房副長官で,拉致問題を追い風にして総理大臣にまで登りつめた安倍晋三だ」と厳しく指摘するのは,元「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」事務局長の蓮池 透だ。  

 蓮池 透の著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)が昨〔2015〕年12月に出版されてから半年が経ち,さきごろ,東京・国立市内で蓮池が講演。「帰国した被害者5真っ赤な嘘画像人を『北朝鮮に戻らないよう引き止めた』との安倍の美談は真っ赤な嘘。引き止めたのは私だ」と証言した。同書のタイトルがショッキングなため,官邸サイドは蓮池 透を敬遠する。
 出所)http://pochi21.exblog.jp/iv/detail/index.asp?s=22366142&i=201404%2F01%2F88%2Fb0029488_1344055.gif

 今〔2016〕年1月の衆院予算委で,緒方林太郎議員(民進党)が同書を引用し「拉致問題を利用したのか」と質すと,安倍首相は「利用したことも嘘をついたこともない」「私のいっていることが違っていたら,私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ」と声を荒らげた。
 補注)安倍晋三の政治家としての虚言壁はまさしく体質的な特性であるから,ここで指摘するまでもない点である。だが,それにしても「私は辞めますよ」という点まで追及できない〈野党の非力さ〉ばかりがめだっている。本ブログで,安倍の虚言一覧の一部については,つぎが記述している。⇒ 2017年01月23日「困った君2名,ドナルド・トランプと安倍晋三による迷采配ぶりの政治と経済が,いまや満開の状態である」

 蓮池 透は,1978年に北朝鮮に拉致された蓮池 薫の実兄。拉致被害者家族連絡会の事務局長を務め,拉致被害者の奪還に尽力し,2002年,薫の帰国が実現。現在は家族連絡会とは距離を置き,自由な論陣を張っている。そして,日本政府による北朝鮮への経済制裁一辺倒の路線に疑問を呈す。

 「(拉致問題で安倍首相が)実行したことといえば2つだけ。経済制裁と拉致問題対策本部の設置だ」。経済制裁をしつつどのような流れで拉致被害者を救出するかシナリオが必要なのだが,「安倍首相にはいっさい,知恵を絞っている感じがない」と一蹴。そのうえで,拉致問題は本質的に日朝間の過去の問題と不可分だとして,「過去の清算として韓国におこなったように経済援助方式もあるが,核開発国である北朝鮮に対しては米国が許さない。残念ながら安倍政権が米国に抗うとは考えにくい。それならば,農業支援として酸性土をアルカリ性に変えるなど,日本の技術で貢献することは可能だ」と,農業技術の支援策も一考に値すると提案した。

 2)被害者家族の直談判に期待
 拉致問題の解決に向けて,日本が米韓との関係でどう臨むべきなのか。蓮池 透は,こう指摘した。米国と北朝鮮は,いまもまだ休戦状態にある。北朝鮮の1番の脅威は米国であり,核開発・実験,ミサイル発射によって,米国に(交渉の)テーブルに着かせようとしている。米国と北朝鮮が接近して仲良くなれば,日韓・南北朝鮮の関係も進む。オバマ政権は朝鮮問題を放置し過ぎた。次期米国大統領には米朝関係の改善を望む」。

北朝鮮切手アントニオ猪木画像 そして,拉致問題打開の新たな突破口に「家族外交」の必要性を説く。「家族会をつくって20年。やるべきことはやりつくした。日本政府はたとえば,アントニオ猪木議員の日朝スポーツ外交を『二元外交』と批判するなど,議員外交も民間外交も拒み,なにもしない。それならば,被害者家族がおこなって直談判すれば,通じるものがあるのではないか。(もはや)そのくらい切羽詰まった思いだ」。
 出所)画像は北朝鮮の郵便切手。1995年4月に平壌で開催された  “平和のためのスポーツ祭典”  を記念して北朝鮮が発行した切手であり,アントニオ猪木が描かれている。
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/blog-entry-1585.html


 さらにあらゆる仲介役を積極的に活用すべきとして「金 正恩・朝鮮労働党委員長と直接面談できる人であり,金 正日・総書記の専属料理人だった健二さんを仲介役にすることも考えられる」とも述べた。拉致被害者・横田めぐみさんの両親も80歳代と高齢を迎えている。家族外交もしかり,藤本氏の仲介役案もしかり,政治的思惑に振り回されず,あらゆる方法を尽くすべき時に来ている。
 註記)http://www.elneos.co.jp/1608sf2.html

  ③「安倍首相は『拉致問題膠着』を打開できるのか」(デイリーNK ジャパン編集長・高 英起稿,2016/9/19 19:27)

 北朝鮮による日本人拉致問題の解決が厳しい局面を迎えている。安倍政権は,これまで「拉致問題は最重要課題だ」と主張してきた。日朝首脳会談から14年目にあたる〔2016年9月〕17日に開かれた「国民大集会」でも「拉致問題の解決なくして日朝関係の改善はありません。そして,すべての拉致被害者の帰国や真相究明等がなされないかぎり,拉致問題が解決したとはけっししていえない」と強調した。

 1)安倍政権に妙案なし
 安倍首相は従来どおりの主張を繰り返すのみで,解決に向けた打開策が語られたわけではない。なによりも北朝鮮が核・ミサイルに突っ走り,日朝交渉がますます厳しくなることを踏まえた議論がおこなわれているのかどうかも,はなはだ疑わしい。そもそも,いまから10年前の2006年,はじめて日本が北朝鮮に対して制裁を発動したとき,拉致問題解決のスキームは,おおよそつぎのようなものだった。

  1.制裁で北朝鮮の外貨を遮断し,金 正日(金 正恩)政権の統治能力を弱める。

  2.孤立を深めた北朝鮮が,日本に頼らざるをえなくなる。

  3.圧倒的に優位な状況下で,日朝間の交渉をして拉致問題の解決に結びつける。

 当時は,日朝間の貿易や往来も少なからず存在していたことから,一定の効果があると予想された。しかし,北朝鮮が全面的に白旗を揚げて,日本に歩み寄るということはなかった。2014年にストックホルム合意がなされたときは,8年経ってようやく制裁から拉致解決を導き出すスキームの効果が表われたという評価もあった。しかし,再調査の中身やストックホルム合意じたいの解釈をめぐって,両国の溝は深まり,2年以上経っても進展をみせていない。

 さらに,北朝鮮は今〔2016〕年1月と2月,核実験と長距離弾道ミサイルの発射を強行。これに対して日本政府は追加制裁措置を決定するが,北朝鮮は対抗策として拉致被害者など日本人に関する包括的な調査を全面中止し,「特別調査委員会」を解体すると発表。「重大な悪結果を生じさせた全責任は,安倍政権が負わなければならない」と,安倍政権を名指しで非難した。先〔2016年8〕月には,「拉致問題は解決済み」との立場を示すなど,北朝鮮は従来の頑なな姿勢に戻った。

 二国間における交渉が厳しくなるなか,金 正恩体制は核実験とミサイル発射を継続している。国際的な制裁が効果を出せていない状況下で,北朝鮮の姿勢をあらためさせることがきわめて困難になっていることはいうまでもない。

 2)非現実的な自衛隊による救出作戦
 厳しい状況をむかえるなか,拉致被害者の家族は,政府に「核問題と切り離して拉致を最重要課題としてとり組んでいただきたい」と求めた。家族の切実な思いは理解できる。しかし北朝鮮に飲ませるべき問題は,核・ミサイルの放棄と,日本人拉致の清算だけではない。北朝鮮国内での人権侵害を止めさせることも,同様に重要な課題としてあるのだ。拉致問題だけをもって日本が独自に交渉するとなれば,国際的な足並みを乱しているとみなされかねない。なによりも,北朝鮮の国家的な人権侵害を国連で告発し,国際的なイシューとしてきたのは日本政府である。

 冷静にみれば,日本政府に「打つ手なし」というのが現状なのかもしれない。被害者家族から「会えなかったら誰が責任をとるのか」という声まで出ているのは,「最重要課題」といいながらも,まったく結果を出せていない政府に対する苛立ちなのかもしれない。一部からは「自衛隊を派遣して拉致被害者を救出すべき!」という強硬論も出ているが,これが非現実的である。

 安倍首相は〔2016年9月〕19日,国連総会に出席するため,米ニューヨークに到着した。出発前には,「米韓をはじめ,中国・ロシアと緊密に連携し,国連の場でも拉致の解決を訴える」と述べたが,国連や米韓には拉致問題の解決を繰り返し訴えてきた。北朝鮮と同じく人権問題で米国と対立している,中国・ロシアに解決を訴えたところで,両国が積極的に動くことはまずない。

 国際社会の圧力を顧みず,核武装国家に向けて突っ走る金 正恩体制に,勇ましい言葉を1万回唱えても姿勢に変わりはないだろう。「圧力を強めれば北朝鮮は必らず日本にすり寄ってくる」という都合のいい予想論も,もはや破綻しつつある。それでも,拉致被害者の命には限りがあり,被害者家族の高齢化が進むなか,早期の解決を望む声は強い。本気で拉致問題を解決するためには,感情論を排除して現実的な判断,すなわち北朝鮮と水面下での「裏取引」をするしかない。
 註記)http://bylines.news.yahoo.co.jp/kohyoungki/20160919-00062360/

 以上,安倍晋三という日本国の首相を念頭において,北朝鮮による日本人拉致問題の解決は,いったいどのように工夫したら国際政治的に成就できるかをめぐり,これがいかに困難な情勢に直面してきたかについて,専門家などの意見を聞いてみた。
小泉純一郎訪朝時画像
出所)これは,2002年9月17日に小泉純一郎首相が
北朝鮮を訪問したとき写真,安倍晋三が後方にいる。

https://i.ytimg.com/vi/Ise2jBgw3yw/maxresdefault.jpg

 そのなかでより明確になっている論点は,安倍晋三は小泉純一郎政権のとき,官房副長官の職位・立場でもって北朝鮮訪問に同行していたが,その後においては,安倍自身がいかに拉致被害者を帰国させるのに貢献しきたかという虚説を振りまくことに関しては熱心であり,この点については効果を挙げそれなりに点数を稼いできた。
 
 しかしながら,もう少し長い目でみると,いいかえれば,いままでにおける安倍晋三政権になってからの,この首相による「北朝鮮による日本人拉致問題」に対する実際的な取組姿勢は,かえって逆効果を生むしかない対応姿勢に終始してきた。この事実はいまさらのように,より明確になっている。その問題性を一言で要約すれば,安倍晋三という政治家に “外交(国際政治面での交渉)するための手腕はない” というみじめな事実(個性ならびに資質)である。

 内政面では好き勝手に粗暴・野卑な印象さえ与えつつ,強引・独裁的な為政をおこなってはいるものの,一歩海外に出ていき舞台に立つときは,そこで通用するものをまったくもちあわせない世襲3代目の政治家である。第2次安倍晋三政権以降における彼の政治実績は,その程度でしかありえなかった事実を再確認させている。本ブログがこの記述でとりあげ引用している文章は,2016年(昨年)の夏前後におけるものであった。その後においてもこの総理大臣の人間的な限界は,ますます単純かつ明解にさらけ出されている。

 ④ ブルーリボンバッチの意味

 となれば,安倍晋三らのとくに政治家たちが背広の上着にいつも着けている「ブルーリボンバッチの意味」が問題になる。③ までの説明でも理解できるように,安倍晋三らが率先して上着の左襟に着用しているこのバッチであるが,これは間違いなく,「北朝鮮による日本人拉致問題」に対する抗議の意味をこめた「政治家としての立場」を,それも「気持として常時抱いている」ことを訴えるための小道具である。
救う会ホームページ表紙
 だが,ここまで議論してきた中味からすればそれ(そのバッジの着用)は単に「みせかけだけの印し」なのであり,いうなれば “免罪符” 的な演技のために利用される小物であるといってよい。

 まさか,このバッチを着けていない自民党の議員だと「非国民」呼ばわりされるわけはないと思いたい。だが,拉致問題がこれまで,日本社会のなかに醸してきた〈特定の雰囲気〉は,必ずしもそうではなかった。

 ここで右側に「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(略称「救う会 全国協議会」)のホームページ表紙を画像で紹介しておく。(画面 クリックで 拡大・可)
 出所)http://www.sukuukai.jp/item_1145.html

 なお,この画像のさらに下部には,銀行口座やジャパンネットバンクに関する記述があり(右側画像では一番下に「銀行口座」という文字が上半分だけみえる),支援金を受けつけるための案内をしている。最後にこういう文句が出ている。「領収証は原則として,ネット上の記録をもって代えさせていただいていますが,必要な方はその旨ご記入ください」。

 ⑤「拉致問題『家族会』元会長の回想記は真実か(『BLOGOS』有田芳生稿,2013年11月07日 16:16,http://blogos.com/article/73195/)

 この記事はこういう内容であった。拉致問題の「救う会」佐藤勝巳元会長が『統一日報』紙に2013年11月7日まで長期にわたる回想記を連載していた。その連載は,最終段階における数回を充てて,「家族会」の会計問題をとりあげていた。佐藤は「横田 滋氏の会計未発表や大スキャンダル事件を,議連,マスコミ,週刊誌などは程度の差はあれしらない者はいない」とする。
佐藤勝巳表紙
 補注)佐藤勝巳の回想録は,佐藤勝巳『「秘話」で綴る私と朝鮮』(晩聲社,2014年4月。上掲画像)にまとめられ,公刊されている 註記)。もちろん,佐藤が自身の秘話についてすべてを明らかに語っているわけではないことは,この回想録に限らず〈真実〉だと推測しておく。
 註記)
「横田 滋氏の会計未発表や大スキャンダル事件」を記述した,佐藤の同上書における該当の箇所は,同書,191-199頁。以下には,『統一日報』2013年11月7日における「回想記75」の記述を,画像:現物によって紹介しておく(この部分は 191-193頁に転載)。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
    『統一日報』佐藤勝巳寄稿1
     『統一日報』佐藤勝巳寄稿2
 佐藤勝巳氏自身も実は,支持者から1000万円の寄付をもらったにもかかわらず,その行方が不明となったことは報道され,しられているが,指摘される横田疑惑など,あえて噂を流す者がいたので関青木理表紙係者は「しらない者はいない」ということだろう。この佐藤氏の金銭問題は,たとえば青木 理『ルポ 拉致と人々-救う会・公安警察・朝鮮総連拉致と人々-』(岩波書店,2011年)に詳しい。しかし「家族会」の問題など,社会的にはほとんどしられていない。
        
 横田 滋さんが新聞に折りこまれた広告に領収書を貼り付けて,会計処理をしていたことは,拉致問題対策本部の担当者たちがよくしっている。もちろん問題があれば明らかにすべきだ。佐藤元会長がここまで書くのなら,「家族会」は事実関係を明らかにする責任がある。
 註記)http://blogos.com/article/73195/

 横田 滋の場合,自身にかけられている金銭疑惑に対してはどのように抗弁・反論しているのかとみれば,なにもない。なぜか? 以下のように再問してみる余地もある。

 ◆-1 ② の最後における記述の内容には,こういう箇所があった。「さらにあらゆる仲介役を積極的に活用すべき」であり,「金 正恩・朝鮮労働党委員長と直接面談できる人」,「金 正日・総書記の専属料理人だった藤本健二さんを仲介役にすることも考えられる」。この「藤本氏仲介役案もしかり,政治的思惑に振り回されず,あらゆる方法を尽くすべき時に来ている」。

 ◆-2 ③ の 2)における記述の内容には,こういう箇所があった。

  「国際社会の圧力を顧みず,核武装国家に向けて突っ走る金 正恩体制に,勇ましい言葉を1万回唱えても姿勢に変わりはない」のだから,「圧力を強めれば北朝鮮は必らず日本にすり寄ってくる」という都合のいい予想論も,もはや破綻しつつある」。「拉致被害者の命には限りがあり,被害者家族の高齢化が進むなか,早期の解決を望む声は強い」のだとしたら,「本気で拉致問題を解決するためには,感情論を排除して現実的な判断,すなわち北朝鮮と水面下での『裏取引』をするしかない」。

 ◆-1の指摘にせよ◆-2の指摘にせよ,こられの課題解決のために第1に率先して事態に当たり努力すべきは,いうまでもなく日本国政府であり,この外務省であるはずである。ところが,安倍晋三君などがやってきたことといえば,単にうわっつらでのお遊戯みたいな,自身の政治家としての個性・資質である「幼稚と傲慢」精神のまる出しでしかない,それも単に稚拙・粗雑きわまる「対・北朝鮮強硬一辺倒外交」であった。

 いうなれば,ブルーリボンバッチが象徴的にもたしかに意味するのは,そうした日本国総理大臣の問題性である。政治家としての器の小ささだけに留まらず,とりわけ,その行動様式においては姑息さや醜悪さが目立っている。しかも,この安倍晋三の演技に対して “拍手やイイネ!” をタクサン送ってきた国民側の愚昧さのほうも,並みたいていではなかった。この程度のシンゾウに舐められてしまう材料を,みずから提供しているのが,実は,国民・市民・住民・庶民の側における,この首相に対する姿勢ではなかったか。