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 品ぞろえや便利なサービスを背景に、電子の本も紙の本も扱う巨大な書店として存在感を強めるアマゾンジャパン。電子書籍事業を担当する友田雄介キンドルコンテンツ事業本部長に、出版社との関係や事業の展望について聞いた。(2016年11月7日と17年1月31日に行ったインタビューをもとに構成)

 ――16年8月に始めた書籍が読み放題になる定額課金の新サービス「キンドルアンリミテッド」の利用状況はどうですか。

 「びっくりするくらいご好評をいただいている。最初は想定通り、アマゾンのヘビーユーザーによる利用が多かった。ただ、何カ月かするうちにその下の層も増え、全くの新規のお客さまも利用がたくさん入ってきた」

 「月額980円というサービスの値付けと、どういった本を何冊入れるかというバランスの最適点がわからなかった。NTTドコモのdマガジンのように、雑誌では読み放題が非常に人気だったが、それ以外のではどうなのかというのもあった。だが、始めてみて、たくさんのお客様に登録してもらった。初月無料だが、翌月以降も継続してもらっている現状に勇気づけられた」

 ――アンリミテッドはどのくらいの人が利用しているのか。

 「数字は公表していない」

 ――アンリミテッドに込めた狙いは。

 「本や出版物にどうやってもっと時間を割いてもらえるかが大きな課題で、一つの方法論が読み放題サービスだった。定額を月1回払えば新しい書籍を気軽に読める。知らない作家に出会って、(アンリミテッドに入っていない)他の本も買ってみようというきっかけになってくれればと期待がある」

 ――ただ、開始後すぐに人気の書籍が読めなくなりました。講談社が抗議するなど出版側は批判しています。どうしてそうなってしまったのですか。

 「細かい話はできないが、いくつか想定外なことがあったのは事実で、出版社に対応をお願いした。我々も早くアクションを起こさなければいけなかったこともあり、出版社が『唐突だった』ととらえた。私どもも反省の余地はたくさんあると思う。公式に抗議のような形で出てしまったのは残念だ」

 「基本的には事前に話をした出…

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