小池都知事、圧勝で引導…「ドン」内田氏引退へ千代田区長選「代理戦争」大敗の責任で
東京都千代田区長選で自民党推薦の新人候補が小池百合子都知事(64)支援の現職に大敗したことを受け、前自民党都連幹事長の内田茂都議(77)が7月の都議選に出馬するのは困難との見方が強まっていることが6日、分かった。また、小池氏は定数127の都議選に向け、自身が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」から過半数の64人を超える候補者の擁立を検討していることも判明。千代田区長選の圧勝で当初の予定の40人程度から上方修正し、単独過半数確保を目指す。
昨夏の都知事選から半年。小池氏が「都議会のドン」と指摘した内田氏との長い争いが終幕を迎える。都連関係者はこの日、「前回の千代田区長選でも推薦した候補が負けており、内田氏の責任は避けられない」と断言。都連内では区長選の責任問題に加えて高齢であることに懸念を示す声もあがっており、7月の都議選への出馬が困難な状況となった。都連は7日にも幹部会を開き、対応などを協議する。
内田氏は、これまで都連が公表してきた都議選の公認候補に入っておらず、区長選公示の前後から「都議選出ない説」がまことしやかにささやかれてきた。内田氏周辺は「出れば次の任期中に80歳になり、本人は立候補を考えていない」と話している。都議選で千代田区は定数1。2009年の都議選で落選経験もある内田氏にとって、区長選の流れでは当選は難しい。77歳の年齢を考えるとそのまま都議を引退する可能性が高い。
内田氏は1975年から千代田区議を4期務め、89年都議選に初当選。以降は自民党の都議選立候補者の決定に関与するばかりでなく、都庁幹部が重要な条例などを事前に報告するなど都政の実権を握っていたとされる。05年の都議会で、当時の石原慎太郎知事の側近の浜渦武生副知事が「やらせ質問」を行ったとして議会を空転させ、辞職に追い込んだ。09年の都議選で落選したが、自民都連幹事長は留任。猪瀬直樹元知事は「国会議員より大きな発言権を持つ」などと指摘していた。