少しだけ嘘をついてみたいと思う。

異性の友人の裸というものを何度か見たことがある。
すぐに思いつくのは七人くらいの仲間で夏に水浴びをしたことだろうか。これがまた不思議な程にエロさが無くてなんだかキラキラ。まるで嘘のような夢の記憶だ。只のトップレスだったし、汚れた水色のビニールプールでギャーギャー騒いだだけだったからだろうか。

そういえばあいつらは一体何処で着替えていたのだろう。それにあんな大きなプールを何処にしまったのだろう。もしかしたら少しはドキドキしていた奴も居たのかも知れない。どうしてみんなの顔が笑っているのかも思い出せない。

あれってもうできないのかな。
やっぱりさすがにもう無理だろうな。
年も恥もとり過ぎたな。

全く違う情景を見ている時にふっとそんな事を思い出してしまう。みんなで馬鹿をやることが面白かった。みんなは何処に行ってしまったのだろう。どうして自分はあの場所を離れたのだろう。

今あの場所に帰れたとしても誰ももういないはずだ。全くなんてつまらないのだろう。そんなことを思い出す季節はいつも夏だ。

太陽がギラギラ輝いて誰もがはしゃぎたくなるような陽気の時に限って
「つまんねーなぁ」
などとうっかり口元から出てしまったりする。そのくせ少しだけ笑っている。

というね、嘘がね、なんだか妙に懐かしくてね。
ちょっとわかるよって人もいるかと思ってね。
今日は天気が悪いし空も曇っているし、少し寒いくらいだからね。

これはね、全部ね。


うそだようそね。