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I like to lazy

ダラダラ好きのブログ

味覚を失った無味人間の話

雑記

 

 

味覚を失った人間は何もできない。食べる喜びを失ってしまったからだ。一緒にご飯を食べてもまあ、つまらない。当たり前だよね、味がしないんだから。だから会話が全く弾まない。そういう人間と過ごした話。

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数年前の話

もうかれこれ数年前になると思う。その人はなんでも否定するんだ。何かあるたびに「でも」が口癖だった。それは食事をするときに顕著に表れた。僕はなんでも食べてすぐ「美味しい」と言ってしまうタイプ。

 

でもその人はまるで料理をほめない。僕が「この料理美味しいですね」って言っても首をかしげるんだ。そして「でも」と続いていつもの長い説教のようなつまらない語りが始まる。

 

僕はその当時、その人と友達だったから無理して話を聞いていたよ。今は色々な事情があってその人とは離れ離れになったけど。でもその時は一生懸命話を聞いていたんだ。

 

話の内容のほとんどは、ただの愚痴だった。「この料理はここが美味しくない、ここをもっと改良できるはずだ」みたいなことを永遠と語るんだ。僕はもちろん疲れ果てた。

 

そしてつい我慢できなくなって言ってしまったんだ。

 

「いや、美味しいですよ」って。

 

味覚を失った人間

確かに美味しかった。別に高い料理じゃなかったけど普通に美味しかったんだ。でもそのあとの視線のやり場に困った。だって目の前で「うーん」と首を傾げているんだから。

 

僕は気が付いたんだ。今思えばわかる。あの人は「味覚を失った人間」だったんだと。もう高級料理を食べすぎて庶民の味が分からなくなったんだろうね。だからそんな愚痴を言い続けたんだろう。

 

愚痴はよくないよ。本当に。高級料理を食べたその口で愚痴をこぼすんだからね。まあ情けない。君の口は常に開いているのか、と言いたくなった。

 

でも考えると僕もこのブログに気持ちをぶつけている時点で同じなのかもしれない。

 

このブログは愚痴ブログだ。なんて情けないんだ。きっとこのブログをグラフ化したら9割は愚痴になると思う。なんて情けないんだろう。

 

結局味覚を失った人間は僕だったんだ。人の気持ちを考えないで自分の味しか信じない。他の人のブログの味見をしては全く褒めないし干渉もしない。

 

無味人間は僕なんだ。感情を捨てたのは僕なんだ。

 

一体どこに感情を置いてきたんだろう。このブログの過去記事に置いてきたんだろうか。誰か、感情を少し分けてください。

 

身も心もズタズタなんだ。

 

もうマッチ売りの少女状態じゃないか。

 

誰か感情を分けてください。