中国は国内受注で実績を積み上げた後、政府の金融支援、20-30%低廉な労働力を武器に高付加価値船舶市場でシェアを伸ばしている。中国では国内造船所に対する発注割合が約70%だが、コンテナ船やガスタンカーでも50%前後を占める。
造船業界関係者は「これまで業界ではコンテナ船で事故が起きても報じられるのは1日だけだが、タンカーやガスタンカーでは1カ月にわたりニュースになる。それだけに船主が事故を恐れ、技術力がある韓国製船舶を無視はできないとみられていた。しかし、今や技術格差が縮まり、価格競争力も備えた中国が高付加価値船舶の市場を徐々に侵食している」と語った。ガスタンカーとくにLNGタンカーの場合、爆発の危険性があるため、通常のタンカーよりも高い技術力が求められる。
■中国、25年にシェア50%目標
中国も世界的な受注不振を避けることはできなかった。昨年1隻でも引き渡し実績がある中国の造船所は10年の302社から89社に急減した。しかし、中国は10年から造船業の構造調整を進め、「選択と集中」を通じ、競争力を高めた。国営造船大手の中国船舶重工集団(CSIC)は昨年5月、傘下の造船所6カ所を3カ所に統合し、存続した造船所では約10%の人員削減を行った。
中国は今年までに造船業の構造調整を完了後、高付加価値船舶市場を本格的に攻略する計画だ。先月12日、中国の国家発展改革委員会(発改委)、工業情報省など6官庁は共同で、中国は20年までに世界の造船市場におけるシェアを45%以上に高め、25年には世界の先端船舶市場の半分を掌握するという将来構想を明らかにした。
産業研究院の洪性仁(ホン・ソンイン)博士は「高付加価値船舶の分野で韓中の技術格差は4-5年だが、冷え込む発注市場が回復すれば、中国の追い上げはさらに強まりそうだ」と述べた。業界関係者は「高付加価値船舶も韓国が独占していた時代は終わった。これからは韓国と中国、日本が全ての船種で競争しなければならない」と指摘した。