視察
7月16日・17日と県議会産業委員会の県内視察に行ってきました。
視察先は、内浦漁業協同組合(沼津市)、JA伊豆の国(伊豆の国市)、麦豚工房石塚(沼津市)、県立沼津技術専門学校(富士宮市)、株式会社エイ・ピー・アイ(沼津市)、ケンコーマヨネーズ株式会社 富士山静岡工場(富士市)の計6ヵ所です。
現在、県では「美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しているところであり、人口減少対策については経済産業施策は欠かせないものであり、今回の視察は多くの示唆を頂くことがてきました。
主な視察内容は次の通りです。
1 内浦漁業協同組合
内浦漁業協同組合は、養殖アジの全国一の漁獲量を誇る養殖漁場を持つ協同組合。中・小型まき網漁業をはじめ、刺網漁業、船曳網漁業、小型定置網漁業、小割式養殖漁業、遊漁船業などを行っています。
組合員は、正組合員147名、準組合員545名、あわせて692名。
養殖している魚種はマダイ、マアジ、ハマチ等である。特にマアジの養殖は年間約500トンほどであり、全国の生産量の4割を占め、東京、横浜などの関東地方を中心に出荷しています。
平成27年5月16日に開店した漁協直営食堂「いけすや」は、国、県、市の補助を受け、直売所や加工所を併設した食堂を9千万円かけて建設されました。
食堂では、いけすから取上げたばかりのアジを使った新鮮な料理がふるまわれていました。
2 JA伊豆の国
今回は、成果をあげている新規就農者育成事業の取組を視察しました。
この制度は、新規就農希望者が受入農家の下で2か月の事前研修と、1年間の実践研を経て独立就農するのをサポートする仕組みです。
取組みの中での注目点は、一人の落伍者も出さないよう、受入農家、行政等を含めた「ニューファーマー地域連絡会」を組織し就農後の支援体制も整えていところです。
メンバー36戸のうち31戸が異業種から新規就農したニューファーマーであり、JA、行政とも連携し技術指導のほか、農地斡旋、販路確保など、新規就農者でもすぐに経営を軌道に乗せる支援体制により新規就農者の定着率100%を誇っており、就農支援のノウハウは全国から注目を浴びています。
3 麦豚工房石塚
有限会社アイエーエフ石塚では、種豚180頭、肉豚1800頭の養豚経営を行っており、毎週60~90頭を出荷しています。
精肉、ハム、ソーセージ、惣菜の販売を行う農場直営の店舗「麦豚工場石塚」を平成25年4月に開店し地産地消を視野に入れた自社ブランドの展開を始めました。
ここでは、養豚から豚肉の加工販売まで畜産業の6次産業化の取り組み状況について視察しました。
同社は養豚経営を行っていましたが、輸入に頼る飼料の価格高騰分を販売価格に上乗せするのは難しく、市場価格に左右されない安定した経営を目指すため、加工及び直接販売のための店舗「麦豚工房石塚」を開店しました。
加工製造部門に工場長を配置し、製造技術の習得に徳化させ、食肉製品の卸は制限し、高品質商品として販売しています。
豚の飼育では、麦の割合を増やすと飼育期間が20~30日延びるため、その分だけで年間数百万円のコスト増となりますが、同社では通常の3倍の麦を配合した独自飼料を使用して妥協をせずいい豚を育て、この大麦豚を100%使用して、着色料、保存料を使用せず添加物を最小限に抑えたハムやソーセージを製造しています。
こだわりの肥育法による肉質の良さを直接消費者にPRできるとともに、販売単価に反映させることができたほか、精肉販売では売りにくい部位も加工することで利益に転嫁できているそうです。
平成25年度に「ふじのくに新製品セレクション金賞」を受賞しました。
4 静岡県立沼津技術専門学校
静岡県立沼津技術専門校(沼津テクノカレッジ)は、「基礎」「実践」「応用・創造」「IT」「心」の5つのキーワードを基にしたカリキュラムで30歳以下の若年者を対象に実学融合による2年生の教育訓練を実施し実践技術者の養成に努めています。
また、在職者の職業能力向上と離転職者の再就職の円滑化を図るため社会的ニーズに応じた在職者訓練、離転職者訓練、障害者委託訓練などを実施していました。
ここでは、多様な訓練コースによる技術者育成と就職支援の活動状況について視察しました。
5 株式会社エイ・ピー・アイ
株式会社エイ・ピー・アイは、スルガ銀行(51%)、静岡県(39%)、沼津市(10%)が出資して設立された第3セクター方式による静岡県初の特例子会社です。
従業員19人のうち12人が重度障害者であり、主にスルガ銀行の帳票類、チラシの印刷業務を行っており、重度障害のある方々に仕事を続けていく機会を提供し、社会的経済的自立を支援しています。
「特例子会社」とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」第44条の規定により、一定の要件を満たした上、厚生労働大臣の許可を受けて、障害者雇用率(企業の法定雇用率は2.0%)算定において親会社の一事業所と見なされる子会社です。
静岡県内の障害者雇用状況(平成26年6月現在)は、実雇用率は前年の1.72%を上回り1.80%に、法定雇用率達成企業の割合は前年の46.0%から47.6%とともに過去最高を記録したところです。
6 ケンコーマヨネーズ株式会社 富士山静岡工場
本社は、東京都杉並区にあり、はサラダ類・惣菜類・マヨネーズ類・ドレッシング類・ソース類の製造、販売等を主な事業内容として行っている会社です。
平成26年3月に竣工した富士山静岡工場は、コンビニ、外食向けタマゴ製品の生産力強化のため、国内7番目の直営工場として「殻付き卵」から「タマゴ製品」まで一貫した生産システムを構築し、品質や生産効率の向上を図っています。
企業誘致の経緯は、平成23年夏から交渉を開始し、富士市の粘り強い誘致活動により、関東近郊地域との競合を制して立地となりました。主な理由は他の地域に比べ、地下水や周辺環境の面で優れていたことが立地の決め手となったそうです。
Posted by しょうぞう力 at 15:27│
Comments(1)
JA伊豆の国、ミニトマト研修農家、伊豆の国市議会議員の鈴木幸雄は、研修生に対して支払うべき、研修手当を十数年間にわたりピンハネしています。総額は1000万円を超えます。県の農業ビジネス課は、研修生に対する不利益を長年にわたって行っている事実を知りながら、未だに研修農家として指定し、県の新規就農制度の中核農家として位置付けています。
貴殿におかれましても、だた視察しただけでなく、ウラで何が行われているのか、しっかりと把握すべきです。
県民の税金が、謝礼として研修農家に数千万支払われており、ホントにこれでいいのか?いつまでこんな不正を見逃し、研修生を送り込み、問題を大きくしているのか明らかにすべきです。
県、知事もある程度は、気づいているはずですが、何もアクションを起こしません。