日本将棋連盟、新会長の佐藤康光九段が会見。他理事には解任請求があり改めて臨時総会を開催へ

2017年2月6日、日本将棋連盟は、谷川浩司会長と島朗理事の辞任に伴う臨時総会を開催し、新理事に佐藤康光九段と井上慶太九段を選任。

総会後、新理事を含めた理事会を開催が開催され、互選により佐藤康光九段が新会長に選出されました。役員の任期は今年の6月の通常総会まで。

その後、佐藤康光新会長、青野照市専務理事、片上大輔常務理事が会見を行い、その模様がニコ生で放送されました。

会見の冒頭、佐藤新会長から挨拶がありました。ハフィントンポスト記者の吉川慧さんが挨拶文の画像をツイートされています。

(同じ文章が連盟の公式サイトにも掲載されています)

また、臨時総会の前に、28名の棋士による臨時総会開催(理事解任)の請求があり、2月27日13時から改めて理事解任を議題とする臨時総会を開催することが決定したとのことです。

対象は前日までの専務理事、常務理事の5人とのこと。青野、東、中川、佐藤秀、片上の各理事のことだと思います。

質疑応答

以下、会見の主な質疑応答。要点だけ、かつ私(管理人)が興味ある部分だけ書きます。やや雑かもしれませんので、正確に知りたい場合は上記のニコ生をご覧下さい。


三浦九段の名誉回復についてどのようなことをする?

佐藤新会長「一つ大事なことは対局の環境を万全に整えること。対局に集中できる環境を作っていく。いい将棋を指して頂くのが大事なことだと思っている。(後で付け加え)イベント等にたくさん出ていただいて、ファンと交流して頂くということも考えている」

谷川会長から「バトンを渡したい」というようなことは言われたか?

佐藤新会長「お話をしているうちに、そういう話になりまして。そうですね、そういう部分もありました」

渡辺竜王に処分を下すべきだという意見は総会で出たか?

青野理事「今日の臨時総会では全く話は出ませんでした」

谷川会長の兄の署名活動については?

佐藤新会長「一つの提言としてご意見をいただくのはありがたいことだと思っている」


次回臨時総会を待たずに、専務理事や常務理事は辞任しないのか?

青野理事「今回の件は本当に大きな件だが、将棋連盟はそれだけではない。世間に対して素晴らしい話題も提供しているし、契約問題、かなり難しい問題があちこちにある。6月まで任期があるのでそれまで務めるのが自分の義務だと思う。若い人たちが辞めたほうがいいという(投票の結果?)のであればしたがう覚悟。やってくれという票が入れば、6月まではがんばるつもり」

連盟として、三浦九段に謝罪したのか?

青野理事「今現在、公式に、常務会と三浦九段が会ってるということはない。なるべく早く機会をつくって、最終的には三浦九段にお詫びをしないと、この問題は(終わらない)。早くその機会を作りたい」

佐藤新会長「私自身は、今年に入って個人的に私的にですが、三浦九段と話はしました。謝罪ということで。棋士会として意見をまとめられなかったということでお詫びをした」

何についての謝罪なのか?

佐藤新会長「10月10日の日の会合(週刊文春が報じた極秘会合。渡辺竜王が出席者に対し疑惑について説明したりした)に参加していましたし、私の場合は棋士会会長という立場で、棋士のたくさんの意見を早めに集約して常務会に伝えれば、もう少し違う形があったのではないかという反省がある」

現役棋士ではなく、引退棋士や外部から運営をする人を招くべきでは?

佐藤新会長「そういう意見はうかがっているが、今回の件をうけ、どういう形が将棋連盟にとってベストなのか、議論を重ねる。すぐに切り替えるのは難しいが、ベストな形があれば時間がかかってもそちらのほうに変えていく」

青野理事「これは20年以上前からずっと言われていたこと。確かに棋士は運営については素人。しかし将棋という文化を我々が発信する、それに伴う契約金なりお金をいただくということについて、単なる将棋を知らない経営者等を連れてきてやれよって言って1億2億の金がパッと入るかという時代ではない。支部でも、将棋の棋士が来るから動いてくれるという人もいる。私自身は、例えば、会長と外部の理事長の二本立てのような形で、運営できればいいのかなと前から私はそう思っている」

簡単なこれまでの経緯です。

2016年10月12日、連盟が、三浦弘行九段の出場停止処分、及び竜王戦七番勝負の挑戦者を三浦九段から丸山忠久九段に変更すると発表。三浦九段がスマートフォンを使用した不正を行った疑惑があると報道された。

12月26日、連盟が設置した第三者調査委員会が、三浦九段が不正を行った証拠はないなどとする調査結果を発表。

12月27日、第三者委の調査結果を受けて、連盟の谷川浩司会長が三浦九段らに謝罪。谷川会長以下、連盟理事の減給処分を発表。

2017年1月18日、谷川会長が辞任を発表。辞任の理由は「将棋ファンのみなさま、主催者・協賛社のみなさま、そして三浦弘行九段に誠意をお伝えする」こと、自身の体調不良。三浦九段の処分を主導したとみられる島朗理事も辞任。

2月2日、谷川会長が入院。病名などは不明。

2月6日、日本将棋連盟は臨時総会を開催。理事選によって新理事に佐藤康光九段と井上慶太九段を選出。その後の理事会において互選で佐藤康光九段が新会長に選出。

三浦弘行九段の件に関する詳しい経緯は以下の記事で。

三浦弘行九段の件の時系列まとめ記事(その4)。 3分で振り返るマーカー付き

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コメント

  1. 匿名 より:

     まとめお疲れ様です。気にはなっていたのですが、映像で見れていないので助かります。

    青野理事「……単なる将棋を知らない経営者等を連れてきてやれよって言って……」
     この辺りの発言を読むと、青野理事は棋士以外の人間を相当見下していると取れました。
     これが棋界を代表する理事の発言なんですね。

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