細菌性結膜炎の詳しい症状と原因

更新日:2016/12/09

結膜炎の基礎知識

目がかゆい、充血している、目やにが多い、涙が出る…これらは結膜炎のサインかもしれません。結膜炎にはいくつかの種類があり、それぞれに原因や症状が異なります。こちらでは、感染性結膜炎の1つである、細菌性結膜炎について解説します。

いつもと違って目がかゆい、充血している、目やにが多い、涙がたくさん出る、まぶたが腫れている…そんなサインがあったら、結膜炎の疑いがあります。ただ、ひとくちに結膜炎といっても、その種類はさまざま。ここでは、感染性結膜炎の1つである細菌性結膜炎の原因や特徴について解説します。

細菌性結膜炎とは

結膜炎は、感染が原因として発症する感染性結膜炎と、アレルギーが原因となるアレルギー性結膜炎の2種類に大きく分けられます。細菌性結膜炎は、感染性結膜炎の一種。インフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌など、ごく身近な細菌が感染することで起こる結膜炎です。

感染性結膜炎には、ウイルスが原因となるウイルス性結膜炎もあり、こちらは感染力が強いことが特徴です。これに対して細菌性結膜炎の感染力はとても弱く、感染のリスクはそれほど大きくありません。しかし、免疫力が弱い小さなお子さんや高齢者の方などは感染しやすいため、注意が必要です。

細菌性結膜炎の代表的な症状は、目やにが多く出ることと白目の充血です。これは結膜炎全体に共通する症状ですが、細菌性結膜炎の目やにはドロッとした粘着性があり、黄緑色した膿のようなものが出ることが特徴です。

細菌性結膜炎になる原因

結膜炎の原因となる黄色ブドウ球菌は、喉や鼻の粘膜、肌や指など、体のあらゆるところに存在している菌です。健康な状態では本来備わっている抵抗力によって感染することはほとんどないのですが、抵抗力が弱まっているときは影響を受けやすくなり、感染のリスクが高まります。特に、小さなお子さん、高齢者の方、病気療養中の方、目のケガをした方などは注意してください。ちなみに、乳幼児や小学生はインフルエンザ菌によるものが多く、高齢者の方は黄色ブドウ球菌によるものが多いといわれています。

また、性感染症で知られるクラミジア菌や淋菌でも結膜炎を発症するケースがあります。衛生環境がよくなった先進国ではほとんど見られなくなりましたが、性交渉による接触感染や、母親からの産道感染(赤ちゃんの場合)により発症することがあります。

日頃から石けんで手をしっかり洗い、目を擦ったりしないように気をつけると同時に、特に抵抗力が弱まっているときは、無理をせず体を休め、できるだけ菌の影響を受けないようにしましょう。

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