窃盗事件などで有罪判決を受けた後、保護観察付きの執行猶予期間中にコンビニで雑誌を万引きしたとして、窃盗罪に問われた知的障害がある被告の男(42)に前橋地裁は6日、懲役8月(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。
野口佳子裁判長は「保護観察付き執行猶予判決を受け、援護の機会を与えられたにもかかわらず、再度の行為をした。情状に酌量の余地はない」などと述べた。弁護側は「福祉的支援で再犯防止が期待できる」として罰金刑を求めていた。
弁護側によると、被告は以前から万引きなどを繰り返し、住宅でズボンを盗んだ窃盗などの罪で昨年8月、前橋地裁で懲役1年6月、保護観察付き執行猶予3年の判決を受けた。判決によると、同9月7日夜、前橋市内のコンビニで成人雑誌12冊(計約8600円相当)を盗んだ。
検察側は論告で「身をもって行為の悪質性を認識させることが再犯防止につながる」と指摘。弁護側は最終弁論で「コンビニの事件から逮捕まで約1カ月は万引きしていない。実刑ではなく罰金刑で、この間に入所していたような福祉施設に戻ることができれば、再犯防止は十分期待できる」と主張した。〔共同〕