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【産経抄】
また会う日まで 2月6日
▼もちろん、お互いの文学を理解し、認め合った上での軽妙なやりとりだった。「神という主人もちでは、自由であらねばならぬ作家にとって致命的だという批判がありました」。遠藤さんの葬儀で、三浦さんが読んだ弔辞の一文である。
▼カトリック作家ゆえの遠藤さんの若き日の苦しみを伝え、強く記憶に残った。三浦さん夫妻も敬虔(けいけん)なカトリック教徒である。その葬儀では、『また会う日まで』という歌で死者を送るそうだ。三浦さんもこれまで見送ってきた多くの友と、再会を果たしているだろう。