Raspberry Pi の起動
Raspberry PiにHDMIモニタ、キーボード、ネットワークを接続してください。
SDカードを挿入しRaspberry Pi に始めて電源を投入すると、各種ドライバの読み込み画面が表示された後、以下の設定画面 (raspi-config) が表示されます。
なお、後述の PiRT-Unitのシリアルコンソールから操作する場合、raspi-configは現れません。 以下のユーザ名、パスパスワードでログインして raspi-configコマンドを実行することで初期設定を行うことができます。
- ID' : pi
- パスワード'' : raspberry
Debian GNU/Linux 7.0 rtunit0 ttyAMA0 rtunit0 login: pi Password: Last login: Sat Feb 9 03:40:44 UTC 2013 on ttyAMA0 Linux rtunit0 3.6.11+ #371 PREEMPT Thu Feb 7 16:31:35 GMT 2013 armv6l The programs included with the Debian GNU/Linux system are free software; the exact distribution terms for each program are described in the individual files in /usr/share/doc/*/copyright. Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent permitted by applicable law. NOTICE: the software on this Raspberry Pi has not been fully configured. Please run 'sudo raspi-config' $ raspi-config
設定項目
各項目の内容を以下に示します。 必要に応じて各項目の設定を行ってください。
1 Expand Filesystem | 使用するSD カードのパーティションを拡張します。初期状態では、SD カードの全体を使用していないので、特に理由がなければ拡張を行ってください。 |
2 Change User Password | 初期設定ユーザ「pi」のパスワードを変更します。 利用者のわかりやすいパスワードに変更してください。 |
3 Enable Boot to Desktop/Scratch | 起動時の画面の設定で、デフォルトはコンソール利用となっています。GUI利用に変更したい場合には設定します。 |
4 Internationalisation Options | 「ロケール」、「タイムゾーン」、「キーボード配列」の設定です。 |
I1 Change Locale | ロケール設定を行います。キーボード配列は必要に応じて[ja_JP.ECU-JP ECU-JP]などに設定してください。 その際は日本語フォントのインストールが必要となるようです。 |
I2 Change Timezone | タイムゾーンの設定を行います。日本国内で使用する場合は[Asia]-[Tokyo]を設定してください。 |
I3 Change Keyboard Layout Set the keyboard layout to match your keyboard | キーボードの設定を行います。必要に応じて日本語キーボード等に設定して下さい。 |
5 Enable Camera | カメラモジュールを接続している場合に設定してください。 |
6 Add to Rastrack | Rastrackへの登録 |
7 Overclock | オーバークロック |
8 Advanced Options | その他のオプション。ここではPiRT-Unitの環境で必要な項目のみ取り上げます。 |
A6 SPI | SPIを利用する場合は、Enableに設定します。(デフォルトはDisable) |
A7 I2C | I2Cを利用する場合は、Enableに設定します。(デフォルトはDisable) |
9 About raspi-config | 本ツールに関する情報を表示します。 |
上記の各項目を設定した後は、[Tab]キーにて[Finish]を選択して実行してください。 Raspberry Pi 本体が再起動し、各種設定が有効となります。
再起動後、コマンド入力待ち状態で、「startx」を実行するとRaspbian のデスクトップ画面が表示されます。
終了する場合は、以下のコマンドで停止した後、本体から電源を抜いてください。
$ sudo halt
無線LANの設定
Raspberry PiのUSBに無線LANドングルを挿入し設定することで、Raspberry Piを無線化できます。 移動ロボットなどに搭載する際には便利です。
/etc/network/interfaces の編集
まず、/etc/network/interfaces を以下のように編集します。
$ sudo vi /etc/network/interfaces
以下の2か所を書き換えます。
iface wlan0 inet manual ↓ iface wlan0 inet dhcp
wpa-roam /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf ↓ wpa-conf /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf の編集
次に、無線LANの ESSID とキーを登録します。
$ sudo bash # cd /etc/wpa_supplicant # wpa_passphrase ESSID pass >> wpa_supplicant.conf
SSID には無線LANのESSID、passには無線LANのキーを入力します。リダイレクトの際、> ではなく >> (追記)を使用するよう注意してください。 結果は以下のようになっていると思います。
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev update_config=1 network={ ssid="OpenRTM" #psk="4332221111" psk=142914b76be167767055ff945898baaaf83c42b3ad3b99afb0ae531e8fb15e5e }
無線LANアクセスポイントの設定によっては、追加の設定が必要になるかもしれません。 以下に、一例を示します。
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev update_config=1 network={ ssid="OpenRTM" proto=WPA2 key_mgmt=WPA-PSK pairwise=TKIP CCMP group=TKIP CCMP #psk="4332221111" psk=142914b76be167767055ff945898baaaf83c42b3ad3b99afb0ae531e8fb15e5e }
最後に、インターフェースを初期化します。
# ifdown wlan0 # ifup wlan0 Internet Systems Consortium DHCP Client 4.2.2 Copyright 2004-2011 Internet Systems Consortium. All rights reserved. For info, please visit https://www.isc.org/software/dhcp/ : 中略 DHCPREQUEST on wlan0 to 255.255.255.255 port 67 DHCPOFFER from 192.168.11.1 DHCPACK from 192.168.11.1 bound to 192.168.11.26 -- renewal in 34810 seconds.
ここで、無線LANに接続できない場合、/etc/network/interfaces, /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf の設定を見直してください。
# ifconfig wlan0 wlan0 Link encap:Ethernet HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX inet addr:192.168.11.26 Bcast:192.168.11.255 Mask:255.255.255.0 UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1 RX packets:1218 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0 TX packets:21 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 collisions:0 txqueuelen:1000 RX bytes:250608 (244.7 KiB) TX bytes:4506 (4.4 KiB)
無事、無線LAN wlan0 にIPアドレスが割り振られました。
ホスト名でリモート接続する
Raspberry Piにsshでリモートログインで操作する場合、固定IPアドレスを割り振っていなければ、通常 Raspberry Pi のIPアドレスをコンソールで調べて接続する必要があります。
そこでBonjour互換のavahiというサービスをインストールします。 BonjourはAppleが提唱するネットワーク上のサービスを自動的に検索して利用できるようにするためのサービスです。 avahiを使うと、DHCPでIPアドレスを割り振っているRaspberry Piに対してもホスト名でアクセスすることができるようになります。
ホスト名の設定
他のホスト名と衝突しないホスト名を選び設定します。
$ sudo vi /etc/hostname
/etc/hostname に1行目にホスト名を記載します。初期値は raspberrypi となっています。 さらに、/etc/hosts の 127.0.1.1 raspberrypi となっている部分を上で決めた自分のホスト名に書き換えます。
$ sudo vi /etc/hosts
avahi-daemonのインストール
以下のコマンドでavahiデーモンをインストールします。
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get install avahi-daemon
自ホストに対してpingを打ってみます。ホスト名の後に .local を付けた名前を使います。
$ ping myhost.local
これでpingが返ってくれば、avahiがほぼ正しく設定されていることになります。
Bonjourのインストール (Windowsのみ)
PCからavahiが設定されたRaspberryPiにアクセスするためには、PC側にもavahiかBonjourがインストールされている必要があります。
Linuxでは、RaspberryPiと同様に avahi-daemonをインストールすれば使用できます。また MacはデフォルトでBonjourがインストールされているので、特に何もする必要がありません。
WindowsではデフォルトではBonjourはインストールされていません。 最も簡単にBonjourを導入する方法は iTunes をインストールすることです。
どうしてもiTunesをインストールしたくない場合は、アーカイバアプリケーションなどで、ダウンロードした iTunesSetup.exe を展開すると BonjourSetup.exe を抽出することもできます。
また、以下のApple Bonjour印刷サービスにもBonjourが同梱されています。(iTunesに同梱されているものよりバージョンが若干古いようです。)
現在ApplieではBonjour for Windows単体としては配布は行なっていませんが、かつて配布していたものを再配布しているサイトも幾つかあります。(ただし、古いバージョンしか入手できないようです。) 以下はAppleサイト以外のBonjourダウンロードサイトです。自己責任でご利用ください。
- BonjourSetup.exe (v1.0.6.2)
- Bonjour64Setup.exe (v1.0.6.2)
- Apple Bonjour SDK (Apple developer へのログインが必要)
Bonjourがうまく機能しない場合
ファイヤウォールが動作している場合、Bonjourがうまく機能しないことがあります。 その場合、UDPポート5353を開放するかファイヤウォールをOFFにしてください。
TeraTermのインストール
WindowsからRaspberryPiにssh経由でログインするためには、sshクライアントをインストールする必要があります。 Windowsで利用可能なクライアントは多数ありますが、ここではTera Termを紹介します。
- Tera Term TeraTermによる接続
TeraTermをインストール後、起動すると接続ダイアログが現れるので、先ほど設定したホスト名+.local を「ホスト」のテキストボックスに入力しOKを押します。 パスワードが変更されていなければ、
- ID: pi
- パスワード: raspberry
でログインできます。
なお、LinuxやMacはターミナルウインドウを開いて
$ ssh pi@myhost.local
のようにして接続します。