「べっぴんさん」一週間 2017.02.05


(すみれ)伝えたいと思う事は言いました。
そやけど余計に意地を張らしてしまったようです。
(紀夫)そうか。
ちゃんと伝わってるのか…。
一つ一つ正しいと思う事をその時選択するしかないと思う。
2人でしっかり受け止めてさくらを待とう。
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」肌着の売り上げが上がってるねぇ。
(君枝)展示の効果かな?それはうれしいねぇ。
この肌着なんやけどええって聞くけど何がええの?ほかのとどこが違うの?編み方が違うんです。
編み方?はい。
古い機械で編んでるんですけどその動きがとっても丁寧でゆっくりなんです。
縫い目もきれいにそろうのでふんわりと空気をまとって優しく赤ちゃんを包んでくれるんですよ。
ほな試しに1つもらおうかな。
ありがとうございます。
(二郎)すずさん。
五月来てない?
(すず)来てないのよ。
出てった。
(すず)えっ?
(二郎)こんな手紙だけ置いて…。
(すず)何かあったんやろねきっと…。
どこ行くの?
(二郎)捜すんや!
(さくら)五月さんは?
(二郎)どこにもおらへん。
わしが見限られたのかもしれん。
夢ばっかり見て音楽の事しか考えてへんような男誰かて嫌やろ。
そんな事ない!すてきやと思います。
(良子)肌着は増産やね。
(君枝)メリヤスをもっと増やしてもらわないと。
(足立)発注しちょきます。
(中西)すみれさん郵便来てます。
そんな時メリヤス工場から突然手紙が届きます
「この度廃業する事になりました」。
(明美)「来月いっぱいで工場を手放す運びとなりました」。
(良子)そんなに急なの?
(紀夫)そんな兆候あったのか?すんましぇん!わしは全然気が付いちょりませんでした。
いや…。
明日工場に行ってきます。
(五十八)おはようさん。
お父様。
わざわざ近江からありがとうございます。
先代の事もよう知っとるしな。
わしにできる事やったら…。
あの〜橋詰さんですか?坂東社長。
覚えとって下さったんですか。
もちろんです。
まだまだ現役やなぁ。
あちこち具合が悪うなりますけどそのつど部品を直してなんとか…はい。
ご無沙汰しております。
足立君には世話になってます。
あっ坊ちゃん。
(和弘)キアリスさん。
このような事になり申し訳ありません。
わしに代替わりしてうまく経営できればよかったんですが…。
手紙にも書いたように来月いっぱいで工場を手放す事になりました。
あの…手放すって…?売ったんです。
契約は?
(和弘)済ませてます。
ちょうど今おられます。
お会いになりはりますか?お願いします。
その契約相手とは…
君は…。
栄輔さん。
(栄輔)その節は大変お世話になりました。
この工場はうちの会社が買わしてもらう事になりました。
職人の皆さんも一緒に来てもらう事になってます。
あの…お願いがあるんです。
今までとおんなじようにキアリスにメリヤスを卸して頂けませんか?力になりたいのはやまやまですけどそれは無理なんです。
ここを建て替えて新しい機械もようさん置いておしゃれな生地をバンバン作ろ思うてます。
私たちにとってここの工場は掛けがえのないものなんです。
力になれずすんません。
わしは1年ほど前に和弘さんと知り合いました。
(和弘)仲ようしてもらい話も聞いてもらいました。
(栄輔)その間おやじさんは体悪うして入退院繰り返してはりました。
その事知っとりましたか?どれだけ悩んでたか知ってますか?
(和弘)お宅の担当の足立部長はいつもいつも判で押したようにただ「いいですねぇ最高ですねぇ」と褒めるばかりで…。
こちらの事知ろうなんて気持ちないようでしたから。
現実問題嫁もおる。
子どもらもおる。
食わしていくんは難儀な事なんです。
そういう事なんです。
ちょっと待って下さい!やっぱりあなたは…人の心が分からん人や。

(野中)これが河合二郎か。
(古賀)ええ。
河合二郎君か。
(古賀)私らはこういう者だ。
(二郎)トップ・レコード…。
東京に来ないか?えっ?
(野中)うちで面倒見るよ。
(龍一)スカウトや…。
(野中)いい返事待ってるよ。
よかったやないの二郎さん。
夢やったんでしょう?きっとかなう!聞いたでさくらの話。
あ…ええ。
(喜代)旦那様もえらい苦労されてましたものね。
そやがな。
えらい苦労?いっぺん頭の中のぞいてみたいていっつも思っとったんや。
そうなの?おやじいうのは何もでけへんやろ?はい。
そんな事ない。
何があってもどんな事があってもお父様は私たちの味方でいてくれてる。
今日も一緒に工場に来てくれたしお父様がおったから心強かった事たくさんあります。
僕もそないなおやじになりたいなぁ…。
いろいろな工場から新しいメリヤスが届いてますがどうですか?柔らかい生地もあるけど張りがなくて…。
なかなかいいものはありません。
(悦子)肌着の生地が変わってしまうの…残念ね…。
うん。
あ…橋詰さん。
どないされたんですか?あ…あの〜孫が生まれたんです。
おめでとうございます。
あの…孫ができたらキアリスさんでそろえてやりたいと思うとりまして…。
あ…。
これプレゼントさせて下さい。
橋詰さんのお孫さんの健やかな成長を心よりお祈りしています。
坂東さん…。
わしらは励みになったんですよ。
足立さんですよ。
いや〜何べん見てん最高です。
わしこれならいつまででん見ちょられます。
(橋詰)うれしかったんですよ。
足立に伝えます。
はい!今までほんまにありがとうございました。
あ…こちらこそいい仕事さしてもろて幸せでした。
まあゆりがこんなええお母さんになるて分かっとったら悩まんで済んだのになぁ。
(ゆり)フフフッ…。
どんなんやったの?頑固でなぁもう反抗ばっかりしとったんや。
ほんまに?ウフフ…。
「ウフフ」やないがな。
だけど自分のやりたい事をしっかり持ってたから。
そやけど時代が時代で許されへんかったんや。
(ゆり)今はそれでよかったと思ってる。
いろんな事諦めた思うてたけどそうやなかった。
その先に潔さんとの暮らしがあって今の家族があるんやもの。
(五十八)さくら。
一緒に行ってほしいとこあんのやけど…。
五十八が向かったのは大急百貨店でした
先日は失礼致しました。
大急で店出してんのかいな。
はい。
頑張ってきたんやなぁ。
君みたいに大きな目標を掲げてる訳やないけど…結果的にはすみれらもおんなじもんを目指してるんやと思う。
助けたってくれへんか?力貸したってくれへんか?このとおりや!
(栄輔)頭を上げて下さい。
さくらちゃん今日は?おじいちゃんが…。
お母さんらが夏の大急の顔を任されたて聞いたさかいさくらと一緒に見よう思て…。
この展示のお披露目の時にスピーチがあったんです。
いろんな生き方をする女性たちを応援したいという気持ちで作りました。
生まれてくる赤ちゃんたちにどんなふうに生きても自分の選んだ道ならば応援するという母親たちからの想いもこめられています。
お母さんそう言うてましたよ。
いくつになっても教わる事ばかりやわ…。
そやなぁ。
大事な事やで。
お父様。
分からん事もあるしままならん事もある。
そやけどそういう事は一生かけての宿題やと思うてたら人はいくつになっても成長できる。
すみれにはそうであってほしいなぁ。
お父様…。
それは仕事だけに限った事やないで。
はい。
ハハハハ…。
(潔)何で突然姿を消した?紀夫君が帰ってきたからか?そないはるか昔の話今更聞いてどうするんですか?聞いたわ工場の事。
何のわだかまりもないなら何でキアリスの力になってやれんのや。
あのころのお前はいつでもすみれちゃんの力になってやってたやないか。
こんにちは。
栄輔さん。
あの…。
なああんたん所がメリヤス工場買うたんやろ?はい。
(明美)いろいろ配慮が足らんかったのは反省しとうで。
そやけどうちも急な事で困っとるんや。
お願いやからなんとかして。
はい。
ほんま?ええ。
ほかの機械は全部新しいものに買い替えますけどあの機械は残す事にしました。
よかった…。
今までどおりの肌着が作れるのね。
(明美)あんた…見直したで。
今後のお取り引きよろしくお願いします。
失礼します。
栄輔さん!一つお聞きしてもいいですか?人の心が分からないって…あれはさくらの事ですか?そうです。
大丈夫や言われて勇気出たわ。
東京へ行く。
私も行きたい。
一緒に行きたい。
お父様?栄輔さんがねあの機械残してくれるって。
よかったなぁすみれ。
これからも元気で頑張りや。
・はい。
応援してるで。
(忠一郎)旦那様ほんまに伝えんでよろしいんですか?ああ。
今はまだ大変な時やから…。
(五月)お願いします。
あっありがとう。
(明美)どうした?いや…今の子…。
えっ五月が大急に!?そりゃ一大事や…。
またいい加減に大げさな事言うて…。
いやいやいい加減でもないし大げさでもない。
五月は今行方不明なんや。
え?置き手紙一枚でこつ然と消えたんや。
なあ?健太郎。
(健太郎)考えあっての事やと思うけど…。
すみれは大急で五月を見つけ出しますが…
大丈夫?
(五月)大丈夫。
ねえもしかして赤ちゃんがおるんやない?相手は?関係ない。
関係ないって…。
私が誰にも迷惑かけずに一人で育てるんや。
余計な事言わんといてよ。
他人なんやから。
ちょっと待って。
あなた今どこで暮らしてるの?ここの裏のソファーで。
そんな所で…。
(紀夫)そしたら頂きます。
(すみれ喜代)頂きます。
こんなごはん初めてやわ。
(喜代)お布団で寝るの久しぶりでしょう?朝までぐっすり眠って下さい。
ありがとうございます。
(すず)どうぞ。
こないな早い時間珍しいなぁ。
(明美)ちょっと話があってね。
五月ちゃんの事で。
五月がどうした?うちにいるんです。
うちに?何でまた?すみれちゃんがほっておけない言うて…。
あの子妊娠してるんです。
(すず)えっ?父親が誰か分かる?二郎やと思う。
そないな事…。
(明美)二郎君ってドラムをやってる…。
(すず)東京へ行ってプロになるいうのが夢でその夢の邪魔したない思うたんやろなぁ。
あの子はそういう子や。
大切な人のためなら自分を犠牲にする事ができる子。
すごい事やと思います。
そやけど赤ちゃんがおるんやから自分一人の身やないですよね。
(すず)そやねぇ。
さくら?もう帰らな…。
そしたら僕が送っていきます。
(さくら)一人で帰れる。
さくら。
何してるの?腹巻き編んでるんです。
五月さんとおなかの赤ちゃんのためです。
お教えしましょか?編み物。
ほんまに?この家におったらありがとういう言葉しか出てけぇへんなぁ。
こんばんは。
(君枝)健太郎どうしたの?話があるんです。
さくらの事で…。
(健太郎)さくらはほんまに東京に行くつもりなんです。
学校をやめて二郎さんを追って…。
(紀夫)二郎って誰や?
(健太郎)ジャズ喫茶でドラムたたいてる。
僕では止められなくて…。
ありがとう。
・はいキアリスでございます。
お待ち下さい。
ゆりさんから。
すみれごめん!さくらがどこかへ行ってしまったの。
えっ?よろしくお願いします。
東京で勝負させて下さい。
(古賀)よろしく。
(野中)引っ越しの段取りが決まったら…。
(二郎)はい。
さくら!二郎君と一緒に東京に行こうとしてるなんてほんまやの?お母さん…。
お母さんだけやない。
お父さんも来た。
何で?僕が…。
裏切り者!どういうつもりやの?二郎君か。
(さくら)私は二郎さんの事が好きやの!一緒に東京に行きたいって私が勝手に頼んだの!何言うてるんや!さくら!いくつや?まだ高校生やないか。
正々堂々と言える事やないからコソコソしてるのよね?コソコソなんて…。
してるやないの。
お母さん言うたはずよ。
悩むならとことん悩めばいい。
悩んだ末にさくらが出した結論なら…。
でも…黙って神戸を出ようとするのは違うと思う。
学校も家族の事も全部中途半端にして…。
それで幸せになれるとでも思うてるの?二郎さんと一緒やったらそれだけで幸せやわ。
私は私よ。
いつまでも子ども扱いしないでほしい。
どうして自分の事しか考えられないの!五月ちゃんの事話したの?え…?ちゃんと話すべきやと思う。
二郎君にも責任がある事なんやから。
責任…。
五月の事って?2017/02/05(日) 11:00〜11:20
NHK総合1・神戸
べっぴんさん 一週間 第18週「守るべきもの」[字]

工場の廃業で赤ちゃん用の肌着が作れなくなり、窮地のすみれ(芳根京子)。一方、家出中のさくら(井頭愛海)は、思いを寄せる二郎(林遣都)を追って上京しようと夢見る。

詳細情報
番組内容
すみれ(芳根京子)の元に一通の手紙が届く。キアリスが作る赤ちゃん用の肌着の素材となるメリヤスを作る工場が廃業するという知らせだった。すみれは父・五十八(生瀬勝久)とともに工場を訪ねるが、今まで通りのメリヤスは手に入れられなくなり、窮地に陥る。一方、家出中のさくら(井頭愛海)は、プロのドラム演奏者になるため上京しようとしている二郎(林遣都)を追って東京に行こうとするが…。
出演者
【出演】芳根京子,生瀬勝久,菅野美穂,高良健吾,蓮佛美沙子,谷村美月,百田夏菜子,土村芳,永山絢斗,宮田圭子,中島広稀,井頭愛海,古川雄輝,森永悠希,林遣都,江波杏子,久保田紗友
原作・脚本
【作】渡辺千穂

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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