「何も行動せずに誰かが殺されたらどうするのか」。
トランプ政権のスパイサー報道官は、大統領令を擁護してこう語った。
9.11の幻影は、これまでにも何かを正当化するために利用されてきたが(容疑者に対する拷問やグアンタナモ収容所の維持、空港での過剰な保安検査)、その頃よりもずっと過去に追いやられていたにもかかわらず、今回の大統領令は再びそれを呼び起こしている。
移民に関して
トランプ大統領が行ったことは、いずれも米国の安全強化には貢献しないだろう。だが、9.11後の米国で一般化したセキュリティ状況と同様に、「安全」はテーマではない。
国民の恐怖を保ち、政府は国土を保護する任務を果たしている、という政治的な神話を維持することが肝心なのだ。
トランプ大統領はは、オバマ氏やブッシュ氏と同様に、このことを理解している。
目を背けたくなる真実は、抗議行動の一方で、多くの米国民は外国人を恐がっており、
トランプ氏が自分たちに与えてくれるものを求めている。これまでも常にそうだった。残念ながら、トランプ時代だからといって、根本的な部分では特に変わったことはほとんどないのである。
*筆者は米国務省に24年間勤務。著書に「We Meant Well: How I Helped Lose the Battle for the Hearts and Minds of the Iraqi People」など。「Hooper’s War: A Novel of WWII Japan」が刊行予定。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
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