私の世代であれば、一度は「くにおくんシリーズ」に触れたことがある事かと思います。くにおくんシリーズは、熱血硬派な不良高校生”くにおくん”が街の不良と戦ってみたり、運動会してみたりオリンピックで金メダルを目指したりと、ファミコン全盛期を彩った普及の名作シリーズです。
今回紹介する『くにおたちの挽歌』はスーパーファミコンで発売された初代くにおくんの流れを組むベルトスクロールタイプのアクションゲームです。今までのくにおくんシリーズのコミカルな雰囲気とは一線を画すシリーズ随一の異色作となっております。
スタート地点が刑務所(少年院)
ゲームを始めると、くにおくんとライバルのりきが刑務所で囚われの身となっているところから始まります。
これぞ囚人服!といった囚人服で身を固める面々。
一体くにおくんに何が...! OPムービーでその真相が語られています。
横断歩道を歩く親子
そこへ突然何かが...!
衝撃音とともに飛ぶ女の子の傘
娘をかばった父親が倒れる。このバイクは...!?
犯人はくにおとりき...?
いままでのくにおくんシリーズだと思って軽く構えていると、OPで腰をぬかします。BGMが怖いです。
新聞にもバッチリ掲載。
当然我らがくにおくんは、ひき逃げ容疑を否認します。そして、監獄の先輩方を説得したくにおくんは彼らの助けを借りて脱獄を企てます。警官をボコにして、無罪を証明するために、脱獄する2人。
もうくにおくんとか軽々しく呼べません。くにおさんです。
逃亡する2人のバックにタイトル。ここから物語は始まるのだ。
電池切れの心配がないパスワード制
本作はパスワード制です。パスワードはゲーム中スタートボタンでいつでも確認できる上、4桁なので、覚えやすくて安心です。
しかし、このパスワード、4桁が故に適当に入れても結構当たります。しかも、エンディングにもパスワードが設定されているため、適当に入れていると、刑務所を出る間もなくいきなりエンディングロールといった事が起こります。
運次第で、いきなり事件解決。
それにしてもパスワード入力画面からして、刑務所感満載です。ニューゲームの事を「一人ではいる」と表記したゲームは他にあったでしょうか。BGMからしてオドロオドロしいです。
毎回、この画面からのスタートになる。
濡れ衣を晴らすのが今回の目的
さて、母校である熱血高校に戻ったくにおさんですが、うっかり囚人服で登校してしまうお茶目っぷりを披露した後、自分のハクラン(白い学生服)を奪ったというダイキなる人物を探して熱血高校で暴れまくります。
囚人服で高校のプールに参上してしまった2人
このステージのボス"ダイキ"は肘を交互に見せてくる強敵だ!
何故か"りき" の制服も持っていたダイキを倒して、ようやく囚人服から開放されます。これ以降は、キャラ固有の必殺技を使えたり、馬乗り、投げ等のアクションが開放されて、さらにアクションの幅が広がっていきます。
りき曰く「しゅうじんふくじゃ ひっさつわざがつかえなかったもんな!」とのこと。くにおさん達の制服は、聖闘士星矢の聖衣(クロス)のような位置づけであったことが判明します。
囚人服の方に力を封じる能力があるという見方も出来る。
とにかく雰囲気が違う
これまでのくにおくんシリーズのコミカルなノリと違い、明らかに重苦しい雰囲気。一応ストーリに重きを置いている作品のため、結末は実際にプレイして確かめてもらうとして、他にも、
崩壊した花園高校で、乱闘したり。
崩壊しすぎだろ。床ずれてますよ。
パチンコ屋で女子高生と闘ったり
最強の女子高生(?)みすず
高速道路で闘ったり
もちろんノーヘル 。
と、いろいろなシチュエーションも楽しい本作。雰囲気に合った良好がBGMが物語を盛り上げます。くにおくんシリーズ過去作のリメイクや移植が盛んに行われている中、くにおたちの挽歌は移植されていないのが悔やまれます。なんか違う・・と敬遠していた方も是非一度プレイしてみてほしい一本です。
ゲームオーバー画面が渋い