ニャートさんがこんなこと書いてた。
では、なぜ好きなことを書いても稼げないのだろう。
これは簡単で、「好きなこと」というのは条件つきだからだ。
(略)
30万PVというのは、明確に検索を意識して記事を書かないと到達しない数字だ。
だから、好きなことを書くといっても、「(他人が検索するような)好きなこと」に限定される。
そして、好きなように書いてはダメで、SEO用のテンプレに沿ってキーワードを散りばめないとならない。
この時点で、好きなことであっても、好きに書ける要素は薄くなる。さて、30万PVは難しいから、クリック広告とアフィリエイトを合わせて10万稼ごうと考える。
(略)
「好きなこと」かといえば、まあ、好きなことではあるだろう。
だけど、ポエムブロガーの「好きなこと」、つまり好きなタイミングで書き殴る心の叫び、とは明らかに違う。
(この感じを伝えたくて、ポエムブロガーという呼び方にした。蔑称ではなく尊称)
75点分ぐらいは正しいです。
ブログで儲けたい人は「好きなことを書く」というよりも、「(キーワードで検索しやすいほど、)わかりやすく書く」ってことが大事になってきます。
ポエムブロガーには救われるが、ポエム自体が役に立つことはない
ただただ、無秩序に…それこそポエムとしか言いようのないほど感情を揺さぶることに特化したブロガーさんは儲けるのが難しいです。
例えば、彼とか
あるいは…彼とか
女性で言えば、この御方とか…
この辺の人達の文章力には一目置いてます。
しかし、この人達が検索エンジンを使ってお金儲けができるかといえば、NOです。
この人達はGoogle検索でたどり着けないようなタイトルの記事を平気で書くし、検索でたどり着いたとしてもあまりにも生々しすぎて、「彼は彼女はそういうコンテンツを作る人だから…」という作家性を理解していないととても初見の人には辛いかと思います。
僕も2014年ぐらいまでこの3人に近いスタイルで運用してたから、この3人にはシンパシーもあるし、協力もしたいです。
しかし、この人達には「誰かの役に立つような広告と連動させたお金儲け」はほぼ無理です。…だって、役には立たないから。
「ポエムブロガーだから」ではないです。
自分の感情や叫びたいこと、あるいは趣味としてやっている好きなことなんか、別に役に立たないものなんです。
noteとか、カクヨムを経由して、それ自体をコンテンツとして、読み物としてお金を取ることはできるかもしれません。
しかし、彼らの心の叫びを聞いても、別にWiMAXに契約しようとも、Amazonで買い物しようとも思いません。
だから、「好きなことだけじゃ、お金にならない」という言い分は正しいんです。
それを検索ワード、または具体的な商品と連動させないと「読者の生活に役立つ提案」にならず、そうなると広告を貼ることさえできないからです。
僕が自分の感情や好きなものを「フリーゲーム紹介」「マンガ紹介」「アニメランキング」「川崎のグルメ紹介」といったモノやイベントに落とし込んでいるのは、そうすることで読者の消費行動に結びつき、結びつけられそうなことを予想して広告を表示してくれるGoogleが機能するからです。
好きであることは嘘ではないです。
ただし、好きである気持ちや趣向をコンテンツ越しに表現しなければならず、自分の気持ちを代弁してるマンガやアニメを探したり、より楽しめるようなうんちくや作者の取り組みを調べる手間暇がかかってしまいます。
だから、「生物としての、読み物としての感情」は薄まってしまい「好き勝手に物を書いていればお金をもらえる」という漠然とした作家のイメージとはかけ離れた作業が増えていきます。
…いや、僕のしてることは作家というよりも記者であり、マーケッターだね。
しかも、僕は「好きなこと」「興味があること」にこだわっているから収益性の悪いオタク分野ばかり記事にしているけど…それはマーケッターとしてはすごく効率が悪いね。
マネタイズを急ぐなら「好き」なんてない方がいい。
正直、ネットで収益性が高いジャンルは格安SIMであったり、FX投資であったり、転職サイトであったり…「趣味」にはしづらいジャンルのサービスの紹介。
旅行や書籍の紹介もあるにはありますが…それらはそんなに収益性は高くない。
高いものもあるけど…聞いたことないサービスをあの手この手で進めるようなアコギな商売になってくる。
あるいはサロンですか?
アクセスがアップしますよ、自由に生きることができますよとか行って、宗教じみた集まりに囲い込む商売。
もちろん、アフィリエイターにもサロンにもちゃんとやってる人はいますよ?
でも、よほどテクニックや緻密に調べあげられたノウハウ・データがない限りは、どうしてもアコギな商売になってしまう。
サイトを作る、データを分析する過程を自分も周りも楽しめなかったら、それは「役にしか立たない」。役には立つのかもしれないけど、別に自分にしかできないことでも、好きだからやり続けていたいことでもない。
そして、そういうものには愛着が湧かない。だから、新しいサービスが出たり、もっといい結果を出してくれる人をみつけたらそれでおしまい。
で、そういうアコギな商売…アフィリエイトでも、人気商売でもなんでもいいんだが、人間は生き急いで、無理をすると摩耗してしまうわけ…。
去年Twitterで話題になった「自由に生きる」人たちのその後を調べてみると、大学中退起業家志望くんはブログ更新も途絶えTwitterは鍵、会社を設立したと報告以降はほぼ消息不明。1日を50円で売るプロブロガーはアル中になって心療内科通いと、実に悲しい結果に終わっていた。
— NORA@ing!8牛尾 (@nora912) 2017年2月3日
「やってみないとわからないじゃないか」
という人を止める気はない。
だが、ふわふわした雰囲気や、「金さえ儲かればいいんだ」「結果が正義だ」とか思っているんだったら、「それを5年10年続けていたいか」「今やっていることは楽しいか」を考えた方がいい。
1年で儲かったぐらいで調子に乗っていちゃいけない。
もしかして、気力とか運とか成功を前借りしただけってこともあるんだから。
自分が人にブログを教える時に「好きなこと」「やりたいこと」を聞き出す理由
僕も人にブログを教えているけど、
「すぐにマネタイズしたいなら他の人に教わって。」
というようにしてる。
ブログを書くこと、力量を上げるために勉強するについて「大変そう」とか言われたら、もうそいつには教えないことにしてる。
ブログを教えているのは、自分がインターネットやブログ文化が好きで、その可能性を信じているから。
自分もmixiやニコニコ動画に救われたし、はてなブックマークを巡回するようになってからいい記事を読む面白さを知った。
そういうインターネットの良さは色んな趣味のやつが、自分の好きなことを書いてくれたらもっと発揮されていくんじゃないか…と信じてやってる。
オタク分野はタダでも長文ブログを書いてアップする人達の集まりだからマネタイズしづらい。
社交的な人達じゃないから、それこそ岡田斗司夫ぐらい知名度のある人が「この指とまれ」と言わない限り場所づくりをお金儲けにしていくのは難しい。
でも、ネットにいた時間は長く、そういう競争の厳しい場所で試行錯誤してきたノウハウがあるから、できることもある。
ネットオタクにしてアニメオタクが培ったネットノウハウを、いろんな趣味の人が使えるようにしたらネットにはいろんな情報が溢れるんじゃないか…僕はそんなことを思って人にブログを教えるようになった。
僕がノウハウを教えるつもりが、他人の色々な趣味を知るきっかけになった。
競争が厳しいオタク分野とは正反対に趣味がネット上ではマイナーすぎて、マネタイズをどうしたらいいか、ファンをどうやって増やしていいかというジャンルを一緒に考えるようなときもあった。
そういう分野を「好きだからやってる」人は素早いマネタイズは難しいかもしれない。
いや、サイトを見やすく、検索エンジンにかかりやすい書き方・見せ方を教えることで
「アクセスがあるサイト」
には、することができた。
それでも、マネタイズ…それこそそれだけで生活できたり、安定した副収入にするのは簡単なことではない。
それはお金のことだけを考えたら遠回りなことだと思う。
でも、そういう面白さを追求できる人間が、長い間ブログを続ける。
同じ趣味を持ったファンを大事にできる。一過性のブームじゃなくて、好きなものが一緒だからお互いがお互いの関係を大事にする。
僕には5年来のファンも3年来のファンもいる。
そういう現象は好きなものがキッチリしている人…好きなモノがあるから続けてきたし、目立ってきた人にしかない現象だ。
もし、好きなものを自分の手で普及したい・自分の手で交流の場を作っていきたいと腰を据えていける人がいるなら、僕はそういう人にこそブログをやってほしい。
だって、本当にインターネットを面白くするのは好きなモノがある人だから。