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今回は「咳・痰が出る」のご案内です。
咳は、気道の中になんらかの刺激が加わったときに、起こる一種の反射的な運動で、刺激物を外に排出するための、体の防御反応です。
痰は、ウィルスや細菌など、外界から吸入した異物や、破壊などによる病的成分を含んだ、粘り気の強い分泌物で、気道のいろいろな部位から排出されています。
咳・痰が出る
咳のいろいろ
咳を大きく分けると「カンカン、コンコン」と言ったような乾いた感じの咳と、このほかに「ゴホン、ゴホン」と言う、痰を伴った湿った感じの咳の二通りに分けられます。
乾いた咳
乾いた咳は最も多く、その代表としては、気管支炎、扁桃炎、急性咽頭炎があります。
しかし、これらの症状が進行するにつれて、痰がたまって湿性のせきに変化します。
咳をするたびに胸骨の裏側が痛む場合には、まず急性の気管支炎とみてよいでしょう。
これも進行すれば湿性と変化します。
乾いた咳が長い間続く場合には、肺結核を疑わなければなりませんが、高齢者の場合は、肺ガンも一応疑ってみたほうがよいでしょう。
また胸膜炎や肺炎の場合にも咳が出ます。
湿った咳
初期には乾いた咳であっても、症状が進行すると、湿った感じの「ゴホン、ゴホン」に変化することがよくあります。
最も多くみられるのは、気管支炎や風邪の場合です。
そのほかにも各種の肺炎や心臓弁膜症、肺結核、気管支拡張症などにもみられます。
また気管支ゼンソクの場合には、呼吸困難のほうが先に目だちますが、気管支炎の場合には、湿性の咳を伴います。
特異な咳
咳が激しくなって、特に夜間に発作的な激しい咳をし、犬がほえるように低く、乾いた咳をする場合はジフテリア、鶏の鳴き声のような音を出して、息を吸い込む場合は百日ぜきの疑いがあります。
ただ最近では、ジフテリアは予防接種によって、ほとんどみられなくなったので、実際には肺結核や急性喉頭炎、百日ぜきが原因で、喉頭炎(気道中にある喉頭の炎症)になる場合が多いようです。
以上が「咳・痰が出る」についてでした。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。