徳島県警三好署は4日、勤務先の養護老人ホームの室内で衣類に火を付けたとして、同県三好市臨時職員、土井晃子容疑者(46)=同市井川町御領田=を建造物等以外放火容疑で逮捕した。同署によると、当初は「やっていない」と否認したが、その後は黙秘しているという。
容疑は3日午前9時20分ごろ、同市井川町大佐古の市養護老人ホーム「敬寿荘」で、洗濯物を仕分ける場所としても使っていた霊安室の畳の上にあった衣類に火を付けたとしている。土井容疑者は昨年4月に市臨時職員として採用され、同時に市管理の敬寿荘で働き始めた。
敬寿荘には3棟の建物があり、36人が入所し職員15人が働いている。昨年6月と9月、今年1月に入所者の居室で布団が焼ける火災が計3回起き、市は2回目の火災後、録画機能のある簡易な防犯カメラ5台を設置した。
だがまた火災が起きたため、施設側はさらに主要な通路と玄関に録画とモニター監視ができる本格的な防犯カメラを設置した。しかし4回目の今回は、カメラが設置されていない棟で起きた。土井容疑者は、別棟に設置されたカメラの映像などから浮上したといい、同署は一連の火災との関連を調べている。いずれも入所者らにけがはなかった。
敬寿荘は相次ぐ火災を受け、喫煙を希望する入所者には1日5回に限ってたばことライターを渡し、屋外の喫煙所を利用してもらうなど、対応を強いられていた。【松山文音】