【ワシントン会川晴之】中東・アフリカのイスラム圏7カ国からの入国を一時禁止する米大統領令を巡り、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討に向けたイラク軍との協力など、世界に展開する米軍の活動に影響を及ぼしかねないとの懸念が出ている。
イラクは大統領令の対象国の一つで、米国製のF16戦闘機36機の購入を決め、米南部アリゾナ州でイラク人パイロットが訓練を受けている。AP通信は、「テロとの戦いをともに進める米国がこのような措置を取るとは信じられない。撤回することを望む」というイラク空軍の将軍の発言を伝えている。
大統領令が1月27日に発令された直後、ニューヨークのケネディ国際空港で、米軍の通訳をつとめたイラク人が一時拘束されるなど、既に影響が出ている。
国防総省のデービス報道部長は1月30日、毎年約5000人(17~35歳)の米国籍以外の外国人が入隊していることを明らかにした。グリーンカード(永住権)保有者も約1万8700人おり、国防総省は今後、ホワイトハウスに何らかの対処を求めていくとみられる。