「国民海洋基金」主旨
海を制する者が世界を制する
21世紀に入って既に15年を経過した今日、私たちは、あの偉大な歴史学者アーノルド・トインビー博士が、彼の文明史観の中で喝破し予言しました「歴史的な環太平洋時代、海洋の世紀の到来」を、遂に本格的に迎えるように至りました。「海を制する者は世界を制する」の譬えの如く、英国はキリスト教民主主義を背景として海洋政策を強化し、小学校より海洋教育を取り入れる等、国民をあげて海に勇猛に出かけ、海で自由に生きる力をつけました。それによってあらゆる分野の産業革命を興し、結果、7つの海に君臨し「日の沈まない国」と呼ばれるほどに至りました。英国の言語と文化は瞬時に西欧全域と新天地アメリカへと拡大され、アメリカ一国主義時代、即ち「第二のローマ」と言われる巨大な国をつくりあげました。
新たな時代、運命の時を迎えた日本
日本はこの西欧物質文明を取り入れ、北東アジアのために共産主義防衛ラインである韓半島38度線防衛の後方支援の役割を果たすために、アジアで唯一といわれるほど欧米並みの発展を遂げました。しかし、今、時代は大きく変わりソ連を中心とする世界的共産主義時代は崩壊し終焉を告げ、新たな時代へと歴史は大きく胎動しています。そのために、1955年以来、欧米文化文明の支援を受けながら、いわゆる55年体制「対共産主義防衛に対する後方支援」という役割を果たしてきた日本は、今、大きく変わらなければなあらない運命の時を迎えています。
環太平洋時代を開く先駆者たるべき海洋国家日本
即ち、人智を超えて歴史を導く天の摂理は、ヨーロッパとアメリカを中心にする大西洋(物質)文明から、アジア太平洋地域を中心とする環太平洋時代文明圏へ大きく移行し、黒潮の巡る環太平洋時代を開くべく運行しているのです。環太平洋時代の主役は、正に日本と韓国です。日本と韓国を中心とする北東アジアです。これらの国々は物質偏重型文明ではなく高い精神文明を長い歴史を通して築いて参りました。島嶼国家日本は、海洋国家のリーダーとして、かつての英国に代わり、新たな世界観に立ち「海に勇敢に出かけ海で自由に生きる力」をつけ、本然的本格的海洋文明時代である「環太平洋文明時代」を、人類に先駆けて開く旗手になり先頭に立たなければなりません。
世界に遅れをとった海洋後進国家日本
日本は、明治維新以来、外的には欧米文化文明を取り入れましたが、欧米文化の本質的精神文明的源流であるキリスト教と海洋文明思想は受け継がずに参りました。残念ながら日本は未だに海の維新を行っていないのです。陸の廃藩置県は行われましたが、海の廃藩置県は行われていないのです。日本の海洋政策は、江戸時代のままです。海に対する認識は異常に遅れています。
海洋政策・海の技術開発にもっと力を入れるべき日本
事業的観点から見ますと、一例をあげると日本製のスポーツボートは欧米では全く売れません。欧米では、4家庭に1家庭の割合で何らかのスポーツボートを持ち、欧米人は海での生活をエンジョイしていますが、日本では、2000家庭に1隻の割合でしかスポーツボートを持たず、日本の10分の1にも満たない平均収入のアルゼンチンと同じスポーツボートの普及、保有率に留まっています。こういう意味でも日本は海洋後進国です。この分野の技術開発も遅れに遅れています。宇宙開発の前に海の開発を行うべきです。一方、韓国や中国はいち早くこの分野に目をつけ、近年とみにこの分野の海洋政策技術開発に乗り出しています。
海には最も高度な創造性や科学性が秘められ、人間性を最も陶冶する偉大なところ
このままでは日本はアジアを中心とする歴史的環太平洋時代、海洋の世紀から大きくとり残されてしまいます。本来は海洋国家であるべき日本がその主役となるべき立場を担わなければなりません。「海を制する者が世界を制する」という諺には意味があります。海には地下資源や食糧資源、エネルギー資源が陸上の2倍以上眠っています。それだけではありません。海は、陸上や宇宙に比べて、最も高度な創造性や科学性が秘められた所であり、目に見えない人間の霊性や五感を最も高めてくれるところです。人間の生命や人間性を最も陶冶してくれる偉大なところです。
釣りは至極の幸福を約束する趣味生活
400年前、英国の哲学者は「天国で生きる喜びと釣りをする喜びは同じ」
といいました。中国では「3時間幸せになりたかったら酒を飲みなさい。3日間幸せになりたかったら結婚しなさい。7日間幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。しかし、永遠に生涯幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」という諺があります。韓国は「釣りは神様の遊び」という言葉があります。海には人類にとって3分の2の食糧が生息しています。魚は平均30万個の卵を産みます。広大な海に楽しみ主管するには、海に乗り出すボートが必要です。「ボートに乗って釣りをする」という趣味が天与の趣味であり究極の趣味なのです。釣りが人類社会、私たちの生活をどれほど豊かにし幸福感を味わせてくれることでしょうか。
海に関する本格的な研究機関としての世界最高の海洋大学が必要
これまでの漁法も漁業政策も根本から変わらなければなりません。日本が人類の新たな開拓の先頭を切手こそ、今後環太平洋時代をリードすることができます。370km沖の荒れた大陸棚で安全に趣味生活を保障してくれるボートやエンジンや釣り具が必要です。海での趣味生活の開拓はまだ始まったばかりです。日本に世界最高の海洋趣味生活の本格的研究機関となる大学が必要です。海についての真の意味での研究開発が、2020年頃が限界と言われる切羽詰まった人類の食糧問題をも解決してくれることでしょう。事は緊急を要しています。私たちはこの様な「真の意味での海洋趣味生活を保障する海洋趣味産業の開発と確立」に取り組んでいます。
皆様と共に日本の世界的歴史大事業を成し遂げる為の「国民海洋基金」
私たちはこの歴史的大事業を成功させるため、地球上で最も環境問題や食糧問題が深刻なパラグアイ、パンタナールでこの問題に取り組んでいます。今ようやくパラグアイのボート工場でボートを製造し日本で販売できる態勢が整いつつあります。この様な歩みの中、このボーティング産業を更に強力に推し進めると共に、海洋大学の建設や新しいスタイルの釣り産業の構築やそれを支える海洋政策の策定などの事業を推進することが愁眉のであると考えるに至り、この度「国民海洋基金」会員制度を設立する運びとなります。共に会員として参加しこの日本の歴史的、人類史的使命を果たし推進するため、共に鋭意前進しようではありませんか。皆さんの熱意あるご協力、ご参加により、必ずこの目標が達成されると確信いたします。賢明な御判断と御参加を心からお願い申し上げる次第です。