住宅で火事 5人の遺体見つかる 栃木

住宅で火事 5人の遺体見つかる  栃木
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4日未明、栃木県小山市で、かつてフランス料理店を営んでいた住宅が焼けて5人が死亡した火事で、警察と消防の現場検証で遺体は住宅の東側を中心に発見されたことがわかりました。警察は、5日も検証を行い、出火原因を詳しく調べることにしています。
4日午前1時すぎ、栃木県小山市城北にある飲食店アルバイト、田中一巳さん(58)の木造2階建ての住宅から火が出て全焼し、焼け跡から合わせて5人が遺体で見つかりました。

警察によりますと住宅には家族6人が暮らしていて、火事のあと、田中さんと、妻の道代さん(60)、長女の千華さん(30)、孫で小学4年生の妃那さん(9)、それに田中さんの父親の四男也さん(87)の5人と連絡が取れないということです。

警察によりますと、住宅は、東側の居住スペースとかつてフランス料理店だった西側のスペースに分かれていて、5人は東側で発見されたということです。このうち、成人と見られる男性1人の遺体が玄関付近、成人の女性と、女の子と見られる遺体が南東の角、さらにその北側付近で成人の男性と女性と見られる遺体が見つかったということです。

警察は、住宅の内部から火が燃え広がったと見て、5日も現場検証を行って、出火原因を詳しく調べることにしています。

近所の人「評判の店だった」

現場近くに住む50代の女性は、「フランス料理は、この辺りでは珍しかったので人気がありましたが、5年ほど前にフランス料理の店をたたんだようでした。田中さんの家族は、20年ほど前にこの場所に引っ越してきて、田中さんと奥さんは、もの静かで人柄のよい感じの人たちでした」と話していました。

また、現場近くに住む70代の女性は、「3回ほど店に食べに行ったことがありますが、料理はおいしく、近所では評判の店でした。田中さんは、がっちりとした体つきで、奥さんは背が高く、とても美人で、2人ともに穏やかな感じの人でした」と話していました。

田中さんが営んでいたフランス料理店は、平成20年3月に出版された栃木県内の情報誌で「住宅街の隠れ家フレンチ」として紹介されていました。白とえんじ色でコーディネートされたテーブルクロスが高級感と落ち着きを感じさせるとして店内の様子が紹介されているほか、子牛のフィレ肉でフォアグラとインゲンを包んだ料理の写真も掲載されていました。また、田中さんが、東京のホテルで修業したことや、知り合いの農家や漁師からみずから食材を調達して料理をふるまっていた様子が記されていました。

栃木県全域に乾燥注意報

宇都宮地方気象台によりますと、栃木県小山市では先月21日以降、雨を観測していません。空気の乾いた状態が続いていて、気象台は、先月30日から栃木県全域に乾燥注意報を出して、火の取り扱いに注意するよう呼びかけていました。

田中さん一家は

田中一巳さんの姉の悦子さんや近所の人によりますと、田中さん一家は、20年前余り前に今の場所に引っ越し、現場の建物でフランス料理店を開いたということです。今は、家族6人暮らしで、仲はよかったということです。

近所の人などによりますと、田中一巳さん(58)は、東京のホテルで修業したり、足利市の企業の食堂で勤務したりしたあと、20年余り前に小山市に引っ越し、フランス料理店を開いたということです。地区の新年会に使われるなど、近所で人気の店でしたが、東日本大震災で店の内部が壊れたのを機に数年前に店を閉めたということです。警察によりますと、現在は小山市内の飲食店で働いていて、3日の午前中に仕事を終え、職場を離れたということです。

近所の人やフランス料理店を利用したことがある人によりますと、田中さんの妻の道代さん(60)は穏やかな性格の、優しい人だということです。


田中さんの姉の悦子さんなどによりますと、長女の千華さん(30)は、娘の妃那さんだけでなく妃那さんの友達もかわいがる、子ども好きで優しい人だということです。また、妃那さんが通っていた学童保育の保護者の班長を務めるなど活発で礼儀正しい女性だということです。

田中さんの孫で小学4年生の妃那さん(9)を知る同学年の男の子や女性によりますと、妃那さんは活発な女の子で、クラスを明るくする存在だということです。また、学童保育では年下の子どもの面倒を見るなど、優しく思いやりのある子どもだということです。

近所に住む男性によりますと、田中さんの父親の四男也さん(87)はよく、家の近くを散歩していたということです。もの静かですが、近所の人と会うとあいさつをする、礼儀正しい人だったということです。