半導体製品の大半を海外に輸出するSKハイニックスは「為替管理委員会」を新設するなど、為替監視を強化した。同社関係者は「製品の95%以上を輸出する韓国としては、為替差損を最小化することは製品をしっかり作ることに劣らず重要だ。輸出代金として受け取るドルで設備の部品代金を決済するなどして、為替差損を減らすとともに、金融機関との意思疎通を強化するなどの対策を取っている」と説明した。
SKイノベーションは最近、為替の急激な変動を「注意段階」と位置づけた。同社は昨年から為替状況を「安定」「注意」「警戒」「危機」という4段階に分類してモニタリングを行っている。財界関係者は「トランプ大統領が掲げる米国経済の再生だけを見れば、ドル高になるのが正常だが、大統領が無理を通そうとしている状況だ。企業経営者出身の大統領だとしてもやり過ぎの感がある」と話した。
中小企業研究院の金世鍾(キム・セジョン)院長は「為替相場がどちらに向かうかという不確実性が高いことの方が問題だ。ドル安が続く状況では韓国の中小企業の価格競争力が低下するため、取引先を失いかねない」と懸念した。
大企業もこのままウォン高が進んだ場合、業績予想を修正しなければならない状況だ。LG経済研究院のシン・ミンヨン経済研究部門長は「保護貿易主義を掲げるトランプ政権が発足したことで、企業の将来予測が不確実になったこと自体、韓国経済にとって最大のリスクだ。現在のようなウォン高傾向が続けば、企業ごとに今年の営業見通しを見直さなければならない」と述べた。