蹴球探訪
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【首都スポ】[大学サッカー]C大阪で復活期す早大FW山内2017年2月3日 紙面から
開幕前の骨折でつまずき、昨季の大学ラストシーズンをまったくの不完全燃焼で終えた万能アタッカーが、プロの世界で復活を期す。J1のC大阪に新加入した山内寛史(21)=早大4年=だ。大学ではFWだったが、C大阪では高い技術を生かした優れた攻撃力をより広いエリアで発揮することを期待され、MFでの登録となった。しかし、すぐには活躍できない。一昨季の関東大学1部リーグでチームを優勝へと導いた男は、昨年12月に再手術を行い、現在2度目のリハビリに努めている。そんな山内が、静かに牙を研ぎながら、大学時代と今後を語った。 (取材・構成、関孝伸) ◆早稲田で成長した万能アタッカー−早大で成長した部分を教えてください 「早稲田に入っていなかったら、プロ選手には絶対になれなかったと思います。早稲田には実は漠然と入ったんですけど、サッカーをやる上での価値観がそこで大きく変わりました。それまでは、自分はうまくプレーできているかとか、監督は自分のプレーをどう感じているかとかいう風に、自分のパフォーマンスの部分を先に意識しながらやることが多かったんです。でも、早稲田に来てからは、勝つために自分はどうすればいいのか、勝つために自分に何が必要なのかを考えてプレーできるようになりました」 −勝利にこだわる早大のスタイルが山内選手を変えたわけですね 「勝つことを本気で考えてプレーすることがチームのためにつながるんだと思うようになりました。勝つためにということを考えていたら、自然と走れるようにもなりました」 −2年生でレギュラーになり、その年の関東大学1部リーグの一戦でハットトリックを記録するなど、注目の存在へと成長していきました 「2年の終わりには、関東(大学1部リーグ)である程度やっていける自信がついていました。プロになることを明確に意識するようになったのもその頃。ところが、3年になる前の(関東大学)選抜に、入れると思っていたのに入れなくて、まだまだだと思い知らされ、ヤバイと強く感じました」 −その危機感が3年時のさらなる飛躍につながり、チームを19年ぶりのリーグ優勝へと導く活躍を見せました。勝負どころの残り4戦を3勝1分けで乗り切ったわけですが、山内選手は勝った3戦すべてで決勝ゴールを決めました 「点を取るためのエネルギーの使いどころがわかるようになりました。勝負強くなったと思います。でも、逆に4年のシーズンは何もなくて過去の栄光みたいな感じになっています(笑)」 ◆4月半ば復帰へケガしない体作り−4年時の昨季は不運に見舞われました。リーグ開幕2週間前の3月19日に左第5中足骨を骨折し、リーグ戦の前半を棒に振りました。復帰しても調子はなかなか上がらず、エースが力を出せなかったチームは、優勝した翌年に2部に降格する屈辱を味わうことになりました 「骨折に関しては、折れる前から予兆があったので、実はショックはそんなにありませんでした。あぁ、やっちゃったなという感じでした。6月(25日)のアミノバイタルカップ(総理大臣杯全日本大学トーナメント関東予選)で復帰したんですけど、ちょっと早かったかもしれません。復帰後にまた離脱したりもして、結局シーズンが終わるまで、(故障箇所に)違和感を感じながらプレーしていました」 −ベストパフォーマンスを取り戻せずにシーズンが終了した感がありますが、それでもセレッソからオファーが届きました 「ケガのこともそうですけど、いろいろと迷いながらやって、いいプレーができませんでした。そんな状態だったのにオファーをくださったセレッソには感謝しています」 −セレッソ入りが内定した後、骨折部分の違和感を引きずりたくないという思いから、昨年12月16日に再手術を行いました。そのため、現在は出遅れた形になっています 「プロで長くやるために、違和感と不安を取り除いておきたかったんです。復帰の予定は4月の半ばあたりでしょうか。去年の経験を踏まえた上で、ケガしない体を絶対につくろうと考えています。プロでケガしない体を1年目の最初につくっておけることをむしろプラスにとらえています」 ◆大学最後に味わった屈辱をバネに−セレッソのJ1復帰が決定したときにはどんなことを思いましたか? 「うれしかったですけど、カテゴリーに関しては、今の自分は正直あんまりこだわっていないというか、復帰後にチーム内で信頼を得ることがまずは必要になります」 −今後の抱負を聞かせてください 「早稲田で最後に味わった悔しさを今後の原動力にするべきだと思っています。復帰したら、求められるプレーを一日でも早く表現できるようにしなければなりません。今はチームの練習をしっかりと見て、そのときやミーティングで監督が言ったことを整理して吸収しているところです。チームのために献身的に走って、その上で点を取れるような選手になりたいです。少し波があるタイプなので、安定したパフォーマンスができるようにもしたいです。A代表に入ることを長期的な目標にして頑張っていきます」 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
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