【社説】マティス国防長官の初の訪問先に韓国が選ばれた意味

 また米国は韓国の不安定な政治状況にも注目しているはずだ。近く発足する可能性のある韓国の新政権が、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」はもちろん、韓米同盟そのものをどう取り扱うかは米国としても深刻な問題だ。マティス氏の来韓に合わせ、イレイン・バン元国防省副次官補が「同盟国の中でどこが最も懸念されるか、同盟国は何をすべきかなどについて改めて検討すべきだ」と発言したことにも注目すべきだろう。マティス氏は韓国に向かう専用機に搭乗する際「THAADは防衛システムであり、韓米両国がTHAAD配備について意見を交換するのは北朝鮮の脅威に対処するためだ」と発言していた。

 韓米両国の間では来年、防衛費の負担に関する交渉が予定されている。この問題に関してトランプ大統領は選挙期間中、防衛費について「韓国の負担が少ない」と何度も指摘していた。ただその一方でリッパート元駐韓大使は「韓国人は絶対に無賃乗車をしていない」と指摘し、平沢米軍基地建設費の96%を韓国が負担したことなどを明らかにしている。韓米同盟のように強固な血盟関係であっても金に関する問題はどうしてもつきまとうが、この問題に必要以上に注目することは双方とも避けなければならない。幸いトランプ大統領は当選後、韓国に対する否定的な発言は控えている。今のような非常事態で韓米同盟に求められるのはやはり知恵と賢明さだ。

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