米国のマティス国防長官が昨日来韓し、黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行首相、金寛鎮(キム・グァンジン)大統領府国家安保室長と相次いで会談した。今日は韓民求(ハン・ミング)国防長官と会談する予定だ。米国の新しい大統領が就任してからわずか2週間で、今回のように国防長官が世界の中から韓国を最初の訪問先とするのはほとんど前例がない。そのため今回の訪問が持つ意味合いについてはしっかりと理解しておかねばならない。
まずマティス氏はトランプ大統領の任期前半に北朝鮮が挑発行為に走る可能性を現場で確認し、これに対処する韓米両国の体制をチェックするためソウルを最初の訪問先に選んだという。トランプ政権はオバマ前政権が発足した直後の2009年5月、北朝鮮が2回目の核実験を強行した事態が繰り返されることを懸念しているはずだ。北朝鮮は同年3月に米国の女性記者二人を抑留し、4月に長距離弾道ミサイルを発射、5月に核実験を強行して発足直後のオバマ政権に揺さぶりをかけていた。
そのため米国の新政権はオバマ政権とは違った方針を採る可能性が高く、その可能性の中には軍事行動も当然含まれているだろう。実際にトランプ政権発足直後に開催された米上院外交委員会の北朝鮮問題を議題とする聴聞会では、非常に強硬な発言が相次いだ。この聴聞会で上院議員らの間では「北朝鮮の体制を崩壊させねばならない」「金正恩(キム・ジョンウン)委員長を暗殺することが賢明な方法」といった軍事行動をにじませる異例のやりとりが行われていた。