青柳庵日記

昨日は十勝へ。途中まで小雨が降っていましたが、芽室近くになると雨も上がり、ピーカンに晴れてくれました。でも雨量は大したこともなく、うっすらと濡れる程度だったそうで、週末の傘マークに期待しなければなりません。

ヒルズに着くと、入り口の並木道の植栽工事が真っ盛り。ここには当初シナノキの並木を考えていましたが、できるだけ早くボリュウムをほしいことや、紅葉する樹木がほしかったので、フリーマニーカエデのオータム ブレイズ(Acer × freemanii 'Jeffersred' AUTUMN BLAZE)という園芸品種にしました。

フリーマニーカエデとは、最近よく植えられるギンカエデとルブルムカエデとの交雑種で、正式な品種名は‘ジェファーズレッド’ですが、一般的な商品名はオータムブレイズとなっているものです。樹形はギンカエデそっくりのきれいな広卵形をしており、秋にはギンカエデのように黄色くならず、ルブルムカエデの血を引いて真っ赤に紅葉します。4〜5年で、素敵なアプローチの並木が出来上がるでしょう。


ゲート内では‘釧路八重’が満開をやや過ぎ、花吹雪が始まっていました。このサクラは、釧路市近郊に自生するオオ(エゾ)ヤマザクラのタネを播いて作られた実生苗から、1967年に稲沢六郎により選抜された品種で、種苗法に基づいて品種登録されているものです。最近ではこれの増殖が行われていないようで、流通することはまずありません。

園内には形のそろった釧路八重が数十本も植えられており、このサクラがまとまって見られるのは、道内でも多分ここが一番でしょう。本家である釧路には今ではほとんどなくなってしまい、釧路の方が毎年のように花見に来ているそうです。


新たに造成されたエリアでは、土のままだと殺風景だし土が舞って汚いため、先行して芝を貼ってもらいました。切り替えられた園路がよく分かるようになり、大きく広がった芝生広場が姿を現して、少しは期待感を持っていただけそうです。


遅いお昼はまた四分分度で、久しぶりに十勝豆御膳をいただくことに。本当に豆づくしなので、とてもヘルシーですが、内容は盛りだくさんで美味しかったです。


ヴィーズポタジェでは、枠取りの改変や土改がすっかり終わり、いよいよ来週あたりから苗の植え込みが始まります。今年からレストランの名前を冠しているように、料理にも直結できる内容になっていく予定です。


園内には、植木道楽だった昔のオーナーが植えた様々な珍しい樹木がありますが、まだ行くたびに新発見が。今回も池の縁で、小降りで花も小さいながら、かわいい八重咲のサクラを見つけました。ちょうどマメザクラ(フジザクラ)が咲いていたので、案外その系統の品種かもしれません。


ツツジ類ではヨドガワツツジやその原種であるチョウセンヤマツツジが開花している中に、似たような花ながら樹形の違うツツジがありました。葉の形状や雄しべの数からトウゴクミツバツツジのよう。学生時代、落葉性ツツジ類が卒論のテーマだった経験が、こういう時に役に立つとは。


現在進めているリニューアル工事は、来月いっぱいまでかかりますが、利用できる部分から順次オープンしていく予定です。植栽関係は夏以降になるので、グランドオープンは来年になるものの、変わりつつある姿もぜひ見ていただきたいです〜