記事詳細
比・ドゥテルテ大統領「共産主義者との和平は次世代までない」共産党との停戦破棄 和平実現「及ばなかった」
【シンガポール=吉村英輝】フィリピンのドゥテルテ大統領は3日、フィリピン共産党との停戦協定を破棄すると発表した。同党との和平実現を重要課題に掲げてきたが、「及ばなかった」と述べ、「共産主義者との和平は次世代までない」と遺憾の意を示した。
フィリピン国軍は、共産党の軍事組織、新人民軍(NPA)と、約半世紀にわたり衝突を繰り返してきた。共産党の「理解者」を自称するドゥテルテ氏は、就任後の昨年8月に停戦合意を取り付けた。
だが、NPA側は今月1日、政府に要求している政治犯の釈放が実施されないとして、停戦協定を破棄すると宣言。南部ミンダナオ地方などで、NPAとみられる集団からの襲撃を受け、国軍兵士7人が死亡、3人が誘拐された。
ドゥテルテ氏は、「多くの兵士を失った。停戦を続けても意味がない」と述べ、国軍兵士に「戦闘に準備せよ」と呼びかけた。