増田さんはすごく素敵な人で、増田さんのことを考えると、はればれと自由な気持ちになる。
今日はなんだか自分にはなんの価値もないような気分になっているので、必死に増田さんのことを考えている。
かつては現場最前線でバリバリやってたらしい。けど私は知らない。
私が知ってる増田さんはすでに、文房具の補充とかしているおっさんだった。
でも増田さんの席はなぜかけっこう偉い人の近くにあって
増田さんは優しい。
たとえばこんなことがあった。
私がちょっとやらかしてしまって、オーダーメイドの部長に報告しなきゃいけないとき
「ミスっちゃいまして…報告用紙どこでしょう」と増田さんに聞いたら
「だいじょうぶ。私が一緒に謝りにいきましょう」と言うのである。
でも増田さんはマジで一緒に来てくれて、うしろで「はい、がんばって!」とか応援してくれた。
部長は「お、おう」となっていた。
最近気がついたのだが、業務的な共有事項が貼り出される掲示板に
あれは増田さんの掲示板だった。そう気づいてからは毎日チェックを欠かさない。
そんな増田さんだけど、左遷が決まってから1ヶ月は無気力そのものだった。
死んだ魚の眼をしてデスクトップを見ていた。
今までずっと遅く帰ってたから家に帰っても何をすればいいかわからない。
本当はどうだったのか知らないけど。
50近くにして左遷され、掲示板にコラムを連載したりしている増田さんは
もうどう見ても最高に負けてる。
でも同時に、増田さんは無敵だなあと思う。
みんなが必死に落ちないようにしているところに落とされ、
増田さんを落とした人の視界に、狂い咲いている増田さんが入ることは
きっともうないんだろうけど、
増田さんはもはや別フィールドで戦いはじめてしまっているから、
どうか良い週末を。
元増田です。 大事なエピソードを書き損ねていたので追記しました。