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 ミャンマー西部ラカイン州でイスラム教徒ロヒンギャに対する人権侵害の報告が相次いでいる問題で、国連人権高等弁務官事務所は3日、昨年10月から続く治安部隊による掃討作戦で、数百人のロヒンギャ住民が死亡した可能性が高いとする報告書を発表した。

 バングラデシュに逃れた住民ら204人に聞き取り調査をし、報告書にまとめた。ミャンマー政府は組織的な人権侵害を否定しているが、今回の国連の報告書で、同国政府に対する国際社会の批判がさらに高まりそうだ。

 ラカイン州北部では昨年10月、ロヒンギャとみられる武装集団が警察を襲撃。治安部隊が掃討を進めている。今回の報告では、調査に応じた101人の女性の半数が治安部隊による性的暴行などの被害を訴えた。無差別射撃や拷問、暴行、住宅への放火などの証言も数多く寄せられた。

 報告書によると、治安部隊の掃討作戦開始以降、6万6千人がバングラデシュに逃れ、2万2千人がミャンマー国内で避難民になったままだという。(ヤンゴン=五十嵐誠)

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