01月30日 19時21分
中部空港を拠点として、2月までに就航を始めるとしていた格安航空会社=LCCの「エアアジア・ジャパン」は、「安全に運航するための準備が間に合わない」として、就航時期の延期を発表しました。
延期の発表は3度目です。
マレーシアのLCCやインターネット通販の「楽天」などの出資で設立された「エアアジア・ジャパン」は、おととし事業許可を受け、中部空港を拠点に準備を進めています。
去年9月、新千歳便を、今年2月までに、台湾の台北便を今年春に就航させる見通しを示していましたが、30日延期を発表しました。
理由について、「安全に運航するための準備のスケジュールが間に合わないため」などとしていて、就航日は決まりしだい発表するとしています。
「エアアジア・ジャパン」は、当初、去年の4月上旬ごろに、新千歳、仙台、台北の3つの路線で就航する見通しを示していましたが、仙台便が経営上の判断だとしていったん白紙になったほか、これまでに、就航の時期の延期が相次いでいます。
就航時期の延期の発表は3度目で、「エアアジア・ジャパン」の広報担当者は、「お待ち頂いているお客様を含め、皆様には大変ご迷惑をおかけしております。早く就航するために準備を進めます」と話しています。
「エアアジア・ジャパン」は、中部空港を拠点にする初めての航空会社で、空港会社も大きな期待を持っています。
中部空港は利用客の増加を目的に、格安航空会社=LCCの誘致を進めていて、エアアジアに対しては、滑走路が24時間運用可能で、ダイヤを柔軟に設定できることや、地域をあげて外国人観光客の需要開拓に取り組んでいることなどをアピールしてきた経緯があります。
また、LCCにターゲットを絞った計画も進めています。
訪日外国人旅行者の増加で、LCCの運航便も増えたことから、現在のターミナルビルの南にある臨時駐車場の付近にLCC専用の新ターミナルを建設していて、平成31年度上期までの供用開始を目指しています。
一方、「エアアジア・ジャパン」も、中部空港を拠点に運航するための準備を進めています。
おととし9月に、東京から中部空港に本社を移転させたほか、パイロットや客室乗務員を搭乗させた飛行訓練も始めています。
ただ、就航開始時期の相次ぐ延期は、中部空港会社の業績予想を下方修正する一因にもなっています。
中部空港は、去年11月に発表した中間決算で、今年3月までの1年間の航空機利用者数の見込みを当初より30万人少ない1120万人に減らしたほか、売上高も、52億円少ない540億円に下方修正しました。
「エアアジア・ジャパン」が再び就航時期を見直したことについて、中部空港会社は、「就航に向けた準備を着実に進めていると聞いている。中部空港を拠点に運航開始する日を心待ちにしている」とコメントしています。
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