【シリコンバレー=兼松雄一郎】米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズのトラビス・カラニック最高経営責任者(CEO)は2日、トランプ米大統領に経済政策を助言する組織「大統領戦略・政策フォーラム」のメンバーを辞任した。
「テロ懸念国」からの入国を制限する大統領令が出た後、ウーバーとトランプ政権の近さに不満を持つ人々によるサービス不買運動が盛り上がっていることが理由だ。深刻な実害が出始めたことから、政権と距離を置く姿勢を明確にした。
カラニック氏は社員向けメールで「助言組織への参加は今回の入国制限措置への同意を意味しない。誤解が広がっていることを考慮し不参加を決めた」と意思表示した。
同組織はゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラCEO、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOら米経済界の要人で構成される。トランプ大統領と対立するシリコンバレーからもテスラのイーロン・マスクCEOやカラニック氏が参加して物議を醸していた。
マスク氏も入国制限措置には反対を表明しているが、一部で不買運動の動きも見られ、今後の動向が注目されている。