女装してますかーッ!?
レッツ、女装!
おさっぴろでぇす。
みんなァ!女装してるぅぅー!?
・・・・しーん。
はいそこ!そっ閉じしないでぇぇー!!
美しいスタイルを保つには、筋肉のバランスが大事だ。しかしながらワタクシは若い頃、いわゆるガテン系の労働で体を酷使しまくった。
結果筋肉が、中でも僧帽筋が異常に発達してしまったのだ。
証拠として過去記事に、カラオケ部屋で上半身裸になってる後姿をうPした。・・き、興味のある方は見てくれてもいいのよ?(記事の一番下ねw)
という訳で。
このように筋肉がついてしまうと、いわゆる体のラインが出る衣装が着れない・・・。現在のメイド服はそれを隠してくれる優秀な衣装だ。だけどワタクシだって、本当はブラウスとか、ワンピースとかも着てみたいんだ!!
ワタクシはいま激しく後悔している。ああ・・細身の男の子に生まれ変わりたい。ツイッターのタイムラインに、カコイイ美少年の画像が流れて来る度に死にたくなるんだ・・・。
どうしてこうなった?
(引用元:http://www.oceandictionary.jp/scapes1/scape_by_randam/randam6/select658.html)
ひとつ昔話を書く。
若かりし頃、ワタクシは鮮魚市場でバイトをしていた。知ってるよね?お魚が集まってくるあの場所さ。
最初の会社を辞め、次の仕事が決まるまでと思っていたが、バイト先から辞めないでくれとせがまれて、結局一年も続けてしまった。
鮮魚市場と言えば、早朝にセリをしているシーンが浮かぶだろう。
しかしバイトの場合、セリの時間は仕事がほぼ終わっている。というのも、始まりは前の晩だからだ。
さて深夜の市場には、日本各地からトラックが集結している。
積み荷はスチロールの箱に入った魚だ。まずそれを降ろすところから労働が始まる。トラックの運ちゃんが、バンバン箱を滑らせてこちらに投げ渡してくる。ここで慣れてないヤツは、顔に水しぶきがかかりまくる。まさしく市場の洗礼だ。
重い魚と軽い魚の箱
スチロール入りの魚は、たいていは軽い。
しかしながら、数が異様に多いのだ。ワタクシの職場はひと晩で、1,000箱くらい運ばされる。年末とか忙しい時は倍くらいになった。
中には氷水入りの非常に重いヤツがある。ワタクシの記憶では「タコ」がやばかった。他の魚よりも箱がデカいのだ。バイト初心者の子は、タコの箱を持たされると、次の日に来なくなるヤツが続出した。
それ以外だと、木箱に入った魚もヤバかった。
氷がたっぷり詰まった中に、鮭とか太刀魚がたくさん入ってるのがそうだったな。こんな条件だったので、毎日のようにバイトは変わっていた。しかしワタクシはバカ正直だったので、目の前の魚はとにかく運んで並べた。
ちなみに「イカ」は軽かった。
これをバイトの連中は「ラッキーボックス」と呼んでいた。ワタクシは鮮度の良いイカほど黒いというのを市場で学んだ。
バイト代でんまいモノを食べまくった
さてこのバイト先、給料は非常に良かった。
既に10年以上も前の話だけど、一晩で¥16,000もらえたのだ。週に休みは一日だったが、フルに勤務すれば40万超えの収入だった。しかしながら夜勤であることと、キツイ労働条件だったので、20代の若者か、あるいは50越えのおっさんばかりが集まってはすぐに辞めていった。
ワタクシは体力だけは自信があったので、辞めていくヤツらを尻目に労働にいそしんだ。こんなワタクシの楽しみは、市場で食べる朝飯だった。
知ってるかい?
市場の食堂は深夜でも早朝でも空いている。そして市場ならではの新鮮な料理がたんとある。
何しろ夜勤で、バイト代を使う事も無かったので、朝飯はウニやイクラを丼に載せては大盛で食いまくった。食堂でもワタクシは馴染みになり「いつもの」のひと言でおばちゃんがスペシャルメニューを作ってくれた。一回の食事で¥5,000くらい使った事もあった。
大物課へ異動
(引用元:http://www.oceandictionary.jp/scapes1/scape_by_randam/randam6/select658.html)
さて、ワタクシが勤務して2か月ほどたったある日、市場の監督に呼ばれた。
「お前、なかなか見どころあるな。明日から大物(おおもの)へ行ってくれ」
と言われた。
大物と言われても、読者の皆様は知らないと思う。
これは、市場でも最もキツイ部署。つまり冷凍マグロを扱う部署なのだ。
市場的にはセリの花形。単価の最も高い魚ばかりが集まる部署だが、労働者にとってここは地獄だった。
そもそも、バイトでここに行くヤツはひとりも居なかった。
ただキツイだけではなく「危険」なのだ。今思えば、何のメリットも無いあの部署に、自分も何で異動したのかなぁと思う。たぶん何も考えてなかったんだろうなw
労働内容
冷凍マグロはセリのニュースなどでおなじみだろう。
(引用元:http://www.aomorimaguro.jp/story.html)
市場に来た時には既にこの体裁になっている、いらない部分を抜かれ、ガチガチに凍っている。そして顔の横に穴が開いているだろう?ここに「手鉤」を引っかけて引っ張るのだ。
(引用元:http://www.oceandictionary.jp/scapes1/scape_by_randam/randam6/select658.html)
ワタクシの職場では「バチ」と呼ばれる中鉢マグロが大半で、50kg以下はむしろ稀だった。もちろん100kg超えもザラにあった。それが毎晩100本以上トラックで運ばれてきた。
手順はこうだ。
まず車体の下にタイヤを置き、ドライバーがマグロを落とす。そいつが跳ねて足に当たりでもしたら大変!何しろガチガチに凍っていて、いわば石と同じだ。打ちどころが悪くて骨折した人もいた。
そんなわけで緊張しながら、落ちたマグロに手鉤を引っかけて引っ張る。
しかし重い。何しろ石と同じだ。ちと大げさだが、毎晩墓石を100本運ぶと思って欲しい。冷凍なのですべりは良かったが、イキオイが付きすぎると今度は踵にマグロが直撃した。これが涙が出る程痛い。だから慎重に運ぶ必要があった。
本当の労働はこれからだ
そんなこんなで並べ終わる。
しかし本当の労働はこれからだ。もう一度マグロの画像を貼るが、マグロの尾っぽの方に「めくれている部分」があるだろう?
(引用元:http://nanaosakana.com/s_74715/photo/album/44001)
これはセリの時、仲買人がマグロの質を見るための部分なのだが、どうやってめくるか知っているだろうか?
大昔なので、今では違う方法だと思うのだが・・・。
当時は刃物の付いた木枠をこの部分に当てて、それを5kgくらいある大きなハンマーで叩いてめくったのだ。
石のように固く凍ったマグロは、簡単に身を剝くことが出来ない。だから刃物を叩いてマグロに食い込ませ、徐々に剥いていくのである。この部分はセリで多くの人が触る重要な場所のため、剥き方もうるさかった。深く刃を入れ過ぎてはいけないと言われるし、浅ければそもそもめくれない。
イメージはこんな感じ(本来は額縁の画像なので実物とはちょっと違うけど・・)このような器具を使って、マグロの身を剥くのである。
そして叩くのこそが、真の重労働だった(画像はちょっと大げさw)
実際は片手ハンマーなのだが、何しろコレが重い!
単に力任せで叩くと、すぐに手首を痛めた。だから適度な感覚で手首を痛めないように、慎重に叩くのだ。
これを毎晩100本だ。
もちろんワタクシひとりではなく分担して行ったが、職場の従業員は出稼ぎの期間労働者が多く、皆年配の方ばかりだった。だから必然的にワタクシが多くたたくハメになった。
こんなのを約一年やった。
ワタクシはセリ人からも、仲買人からも注目された。じじいばかりの職場に若者が一人。そりゃあいやおうなしに目立つよネw
ちなみにマグロにはランクがあって、高額なマグロは、セリ場の奥に置かれる。反面、スーパーで普通に売ってるマグロは入り口の近くに置かれた。そして最高級のインドマグロを専門に扱う仲買の社長から、ある時声をかけられた。
「おい兄ちゃん、おれんトコ来ないか?」
いきなり氣志團みたいな誘い方だったが、その時は就職もほぼ決まりつつあり、丁重にお断りした。
もしあの時お受けしていれば、今頃新年の初競りで高額マグロをセリ落としていたのはワタクシだった(・・・かもしれないw)
という訳で、バイトを通じて相応に稼いだ。
しかし所詮バイト。一生続けられる仕事ではなく、就職が内定したのと同時に辞めた。市場の監督は労働力が大幅に無くなる事に憤慨し、冷凍マグロに八つ当たりしていたw
一年続けた重労働の結果、ワタクシは筋肉がついてガチムチさんになった。中でも僧帽筋は、あの市場で振るったハンマーのおかげで異様についてしまった(就職した時も、スーツが入らなかったしw)