東京電力は2日、福島第1原子力発電所2号機内のカメラ調査で、原子炉の下に推定毎時530シーベルトの極めて高い放射線量の場所があることがわかったと発表した。また原子炉の下にある作業用足場の金属格子に1メートル四方の大きな穴が開いていることも明らかにした。原子炉内の核燃料が溶け、格納容器の中に落下したのはほぼ確実だ。(関連記事を社会面に)
東電は1月下旬、2号機の原子炉(圧力容器)の下にカメラを入れ、内部の様子を撮影した。画像には放射線の影響で乱れが生じており、そこから撮影場所の放射線量を見積もった。
毎時530シーベルトの放射線は、人間が1分足らず浴びれば確実に死亡する高線量。これまで2号機で測定された最大の放射線量である毎時73シーベルトを大きく上回った。
昨年実施した素粒子を使った調査などでは溶けた燃料の大部分が原子炉内にとどまっているとみられていたが、東電の岡村祐一原子力・立地本部長代理は「溶融燃料が落ちてきた可能性が大きい」と話した。
東電は2月上旬にも格納容器にロボットを入れて溶融燃料の状態を詳しく調査する予定だったが、内部の破損が大きく、計画の見直しは必至だ。