01月28日 09時48分
詳しい原因が解明されていない男性の無精子症について、中部大学などの研究チームがマウスを使った実験で、「ヒストン」と呼ばれるたんぱく質が関わっていることをつきとめ、男性の不妊の診断や治療法の開発につながる成果として注目されています。
これは愛知県にある中部大学が近畿大学と九州大学と共同で行った実験で明らかにしました。
研究チームは遺伝子の構造に関わる「ヒストン」と呼ばれるたんぱく質に注目し、遺伝子操作をして特定のヒストンを体内でつくれなくした雄のマウスを育てました。
すると成長しても精巣が大きくならず、無精子症となったということです。
一方、雌のマウスはヒストンがつくれなくても正常に出産したことから、研究グループは特定のヒストンが雄の精子をつくる仕組みに何らかの形でかかわっていることを突き止めました。
精子がなかったり正常に働かなかったりする無精子症は、まだ不明な点が多く、不妊の診断や治療法が確立していません。
中部大学・実験動物教育研究センターの上田潤助教は「不妊は男性にも多くのケースで原因がある。
今後、さらに研究を進め、妊娠を望むカップルの治療法の開発につなげたい」と話していました。
この研究成果はアメリカの科学誌「CellReports」のオンライン版に掲載されています。
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