トランプ政権閣僚 初外遊、“狂犬”マティス国防長官が訪韓
日本に先立ち、韓国を訪問したアメリカのマティス国防長官。2日午後1時過ぎ、ソウル郊外の米軍基地に到着し、まず、朝鮮半島情勢について報告を受けました。
ソウルでは、マティス氏の訪韓にあわせた抗議デモに見舞われました。「“狂犬”マティスは帰れ」のプラカードもみられます。
3日、日本を訪れますが、「狂犬」の異名を持つマティス氏とは一体どんな人物なのでしょうか。
「“狂犬”と呼ばれるマティス氏を国防長官に指名する!」(トランプ氏 去年12月)
「狂犬」の異名を持つ一方、トランプ大統領から「将軍の中の将軍」と呼ばれ、絶大な信頼を得ているマティス国防長官。1950年生まれの66歳で、軍歴は44年。湾岸戦争やアフガニスタン、イラクで部隊を指揮し、2010年からは中東地域などを担当する「中央軍司令官」を務めました。
「アフガニスタンに行けば、ベールをかぶらなかったからといって、女性を殴り続ける男どもがいる。そいつらを撃つのは、この上ない喜びだ」(マティス氏、2005年の討論会)
過去には、こんな発言をし物議を醸すこともあり、実戦経験の豊かさや歯に衣着せぬ物言いから「狂犬」という、あだ名がついたとされます。その一方で、アメリカメディアによると、7000冊の蔵書を持ち、独身生活を送り、テレビを持たない禁欲ぶりから、「戦う修道士」という別の異名を持っています。そのマティス氏、初めての外遊先に韓国と日本を選びました。
「新政権は両国間の既に強い信頼関係を引き継いでいる。特に北朝鮮からの挑発に直面している状況で、我々の関係は更に強まる」(アメリカ マティス国防長官)
韓国では、主に核・ミサイルの挑発を続ける北朝鮮に対抗するため、THAAD(サード)=高高度防衛ミサイルを予定通り在韓米軍に配備する方針を確認するとみられます。3日、トランプ政権の閣僚として初めて日本を訪れるマティス氏。トランプ大統領が日米安保体制の意義を問う発言を繰り返すなか、上院の公聴会では同盟の意義を強調しました。
「同盟国というものは、世界の秩序を混乱させる者たちの不正行為を改め、抑止するのに貢献する」(アメリカ マティス国防長官、公聴会・先月)
そして、現在のアジア太平洋での軍事態勢を維持する考えを示す一方で、在日米軍の駐留経費については、暗に、増加を求める考えを示しています。そのマティス氏が日本で、一体、何を語るのか注目されます。(02日16:00)