おそらくトランプ政権は、世界第3位の経済規模を誇る日本と同じく4位のドイツには、少なくともイギリスやフランス並みにGDP比2%以上、できれば国際平均値である2.3%程度を目標に国防費を引き上げるように要求してくるものと思われる。その場合、日本の国防費は11.5兆円まで引き上げられることになる。
従来の慣行では血税を無駄遣いするだけ
だが、仮に日本が国防費をGDP比2%程度まで、もしくはそこまではいかずとも1.5%程度まで引き上げたとしても、従来の国防予算編成の慣行から脱却しない限り、血税の無駄遣いを倍増させる結果となりかねない。
すなわち、予算が大幅に増えたからといって国防当局がここぞとばかりに「買い物リスト」をこしらえて「モノ先にありき」を繰り返すようでは、それこそトランプ政権の思う壺になってしまう。
「日本の国防費が倍増されそうだ」となったら、トランプ政権はアメリカの基幹産業たる軍需産業を陣頭指揮して日本への売り込みを図るであろう。
すでに日本への売り込みを始めている超高額兵器の弾道ミサイル防衛システム「THAAD」、F-35戦闘攻撃機などをはじめ、日本を売り込み先として狙う商品は少なくない。
同時に、アメリカ自身が高額すぎて調達に支障を来している最新鋭高性能超高額兵器を日本に売り込むことでコストダウンを図り、米軍にとっても手ごろな価格に引き下げる策を実施するであろう(例えばTHAADはあまりにも高額なため、アメリカ軍は思ったように配備数を増やせない。F-35も、トランプ大統領自身が高額過ぎるとクレームをつけた)。