トランプ氏、豪首相との電話会談を「最悪」と打ち切り=米紙
- 2017年02月2日
米紙ワシントン・ポストは1日、ドナルド・トランプ米大統領が先月28日にオーストラリアのマルコム・ターンブル首相と電話で会談した際、豪国内の難民を米国が受け入れるという両国の合意を批判し、予定時間を切り上げ会談を一方的に終わらせたと報じた。
同紙によると、28日に各国首脳と電話会談を相次いで行ったトランプ氏は、ターンブル首相との会談を「今までで最悪」と呼んだという。
トランプ大統領は会談後にツイッターで、難民の再定住計画について「この馬鹿な取り引きの中身を調べる」とコメントした。
オバマ前政権時にまとめられた合意では、オーストラリアで難民申請した1250人を米国が受け入れることになっていた。
オーストラリア政府に対しては、難民申請した人々を自国で受け入れずナウルとパプアニューギニアの施設に収容したことで、非難の声が上がっていた。
トランプ氏は先月27日に、イスラム教徒が多数を占める特定7カ国の入国を一時的に禁止する大統領令に署名。ターンブル豪首相は、難民の米国再定住の合意が実行されるのか説明を求めていた。
電話会談について明らかになっていること
28日には、ターンブル首相のほか、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領など4人の首脳がトランプ大統領と電話で会談した。
ワシントン・ポスト紙は、電話会談について報告を受けた複数の米高官の話として、会談は1時間の予定だったものの、25分たったところでトランプ氏がいきなり打ち切ったと報じた。
同紙によると、トランプ大統領は、イランやイラク、シリアからの人々が多く含まれる難民の受け入れは、「次のボストン爆破事件の犯人」を迎え入れるようなものだと語ったという。2013年のボストンマラソン爆破事件の実行犯は、ロシア・コーカサス地方のチェチェン共和国出身だった。
大統領令から間もない30日、ターンブル首相はトランプ氏と会談したとツイート。合意を守るとした大統領への謝意を表明。1日には、ショーン・スパイサー大統領報道官も大統領は合意を守る意向だと述べていた。
しかし、ワシントン・ポスト紙の1日付の報道を受け、トランプ大統領はツイッターで、「オバマ政権は何千人もの不法移民を受け入れることに応じた。なぜだ?」とコメントした。
ターンブル首相は、同氏が「非常に率直で歯に衣着せぬ」ものだったとする会談の内容が公になったことについて、遺憾の意を表した。
シドニーのラジオ番組に出演したターンブル首相は、「大統領が電話を一方的に切ったという報道は正しくない」と語った。
オーストラリア政府は昨年11月、ナウルとパプアニューギニアの収容施設にいる難民を米国が一度限りの措置として受け入れることに合意したと発表した。
ターンブル首相は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が再定住の取り組みを管理し、「最も弱い人々」が優先的に扱われると述べた。