伝統的ドル箱の半導体は、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)など新たな需要先が増え、右肩上がりの成長を見せている。サムスン電子、SKハイニックスは不況期にも工場拡張、技術開発に多額を投資し、それが結実した。サムスン電子は半導体、ディスプレー分野だけで昨年23兆ウォン(約2兆2400億円)の設備投資を行った。設備投資全体(25兆5000億ウォン)の90%に達する金額だ。
設備・素材関連の下請け企業も業績が上向いている。半導体設備業者のウォンイクIPS、OLED用ディスプレー設備業者のビアトロン、APシステムなどは昨年、過去最高の業績を上げ、今年も好調が予想される。
■部品・素材が輸出回復を主導か
部品・素材業界の好調は韓国の輸出競争力も引き上げている。関税庁によると、今年1月1-20日の輸出は276億ドルで、前年同期を25%上回った。6年5カ月ぶりの高水準だ。品目別では半導体が52.5%、鉄鋼が19.9%伸びた。一方、スマートフォン、船舶など完成品分野は輸出が平均10%以上減少した。完成品産業の不振を部品・素材で取り戻した格好だ。
部品・素材の輸出は昨年第4四半期から増加した。産業通商資源部(省に相当)によると、昨年第4四半期の部品・素材輸出は663億ドルで、7四半期ぶりの増加となった。最近2-3年続いた円安にもかかわらず、部品・素材分野の対日依存度が低下を続けたことも追い風となった。部品・素材分野の対日貿易赤字は10年の243億ドルから昨年は146億ドルへと大きく縮小した。
ソウル大電気工学部の李宗昊(イ・ジョンホ)教授は「部品・素材産業の市場の特性上、技術をリードする企業が収益を独占するケースが多い。半導体、ディスプレー、タイヤコードなど世界市場で首位の分野に集中的に投資を行い、圧倒的な技術競争力を備えてこそ、安定成長が可能だ」と指摘した。