古嶺街〈クーリンチェ〉少年殺人事件〈デジタル・リマスター版〉

エドワード・ヤン作品が連続公開

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エドワード・ヤンは、1982年にオムニバス映画『光陰的故事』で監督デビュー。世界の映画ファンと評論家たちをうならせる新作を次々に世におくりだした“台湾ニューシネマ”を担うひとりとして『恐怖分子』『エドワード・ヤンの恋愛時代』『カップルズ』などを発表。結果的に遺作になってしまった『ヤンヤン 夏の思い出』ではカンヌ映画祭監督賞を受賞するなど、人気と実力を兼ね備えた映画作家だったが、2007年に病気でこの世を去った。

その後も彼の作品はDVD化され、新しいファンを獲得してきたが、名作『クー嶺街…』は諸般の事情から初公開以降、スクリーンでの上映がなく、DVD化もされなかったため、ファンはレンタル店にあるVHSを探し出して観るしかなかった。1960年代の台湾を舞台に少年グループの抗争や恋のドラマを描き出した本作は、現在でも熱狂的なファンが多く、BBCが1995年に選出した“21世紀に残したい映画100本”にも選ばれている。今回は、4Kレストア(修復)した3時間56分版での上映で、映画ファンが待ちわびた“スクリーン上映”が約25年ぶりに実現する。

また、5月には監督が1985年に製作した『台北ストーリー』も劇場公開される。本作は映画監督でエドワード・ヤンの朋友でもあるホウ・シャオシェンが主演を務め、後に監督の妻になる台湾の人気歌手ツァイ・チンと共演した作品。台北で暮らす布地問屋を営む男と、不動産業界で働く女を主人公に、大きく変化を遂げていく台北の街と、将来に不安を抱える男女の姿を描いた作品。“台湾ニューシネマ”の勢いと魅力を感じられる作品だが、長らく日本で上映される機会がなかった。本作も4Kによるデジタル修復が行われ、ホウ・シャオシェンが修復作業に協力した。

エドワード・ヤン監督は生涯で7本の長編映画を残し、没後10年が経ったが、7本の作品は現在も何らかの方法で観賞され、語られ、後続の映画監督たちに強い影響を与えている。今回、連続上映される2作品とも初公開からは20年以上が経過しており、若い映画ファンが、映画館でエドワード・ヤン作品を“発見”することになりそうだ。

『クー嶺街少年殺人事件』4Kレストア・デジタルリマスター版
3月11日(土)より角川シネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

『台北ストーリー』4Kデジタル修復版
5月 ユーロスペースほか全国順次ロードショー

※文中の“クー”は正しくは“牛”辺に“古”

【関連リンク】
『クー嶺街少年殺人事件』作品情報
『台北ストーリー』作品情報

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