糖尿病治療にかかるお金のこと考えてみませんか
厚生労働省の「患者調査」によると、糖尿病の患者数は2014年で316万6,000人となり、前回(2011年)調査の270万から46万6,000人増えて、過去最高となったといいます。
生活習慣病では、「高血圧性疾患」が1,010万8,000人、「高脂血症」が206万2,000人、心疾患が172万9,000人、「がん」が162万6,000人、脳血管疾患 117万9,000人という結果となっています。
すでに、多くの人たちが糖尿病にかかっていたり、または、その予備軍ということになります。
さて、私たちは生活習慣に注意して糖尿病にならないよう最新の注意をして生活することはもちろんですが、予備軍の方、あるいは実際糖尿病と言われてしまった方にとっては、その治療費に不安を持っておられるのではないでしょうか?
ここでは、実際どのくらい治療費が必要なのかを調べてみました。
さて、治療費が一体どれくらいかかるのでしょうか?
あまり糖尿病が進行しておらず食事運動療法だけをしている方はそれほど治療費を負担に思わないかもしれませんね。でも糖尿病が進行して服用するお薬が増えたりインスリン治療を始めるとそれだけかかるお金も増えていきます。
糖尿病は長く付き合っていかなければならない病気ですから年単位で治療費を計算してみると家計にとって大きな負担となることがわかります。
糖尿病の治療費のイメージどんな感じでしょうか。(個人差がかなりありますので一概に決められません)
まず診療費、検査費などは当然かかります
食事運動療法のみの人はこれに生活指導費などがかかるだけです。
健康保険3割負担の人で月額 2,700円位と予想されます。
経口剤1剤だけもらう人は飲み薬の薬剤費が生活指導費とともにかかってきます。
これにさらにインスリンが加わりますとどうなるかと言いますと、
診療費、検査費などがまず当然かかってきます。
次に 生活費指導費などですね、自己注射指導管理料などもかかります。
その他に薬剤費として飲み薬料金、それからインスリン料金がかかってきます。
薬だけの場合
経口薬2口、診察費 薬剤費などで月額5,500円位かかります。
これに、インスリンが加わると11,000円位になります。
これがだいたいの糖尿病の治療費のイメージです。
糖尿病治療は今が肝心。
でも、お金がかかるからといって、治療をやめてしまってあり、自己判断で薬の量を減らしたりすると、十分な治療の効果が得られず合併症が悪化したり、新たな合併症が起きるかもしれません。合併症があると、医療費はさらに上がってしまいます。
ですから、早いうちに治療をきちんと取り組み、合併症の悪化を防ぐことが、一番の節約になるのです。
合併症を伴うと治療費の負担も大変になります。
糖尿病のみの年間医療費を1とした場合の医療費の比較をしてみたいと思います。
合併症がありますと、
虚血性心疾患の場合 1.9倍
網膜症を合併した場合 1.6倍
腎症の場合 2.0倍
神経障害の場合 1.9倍
インスリン治療を始める方、インスリン治療中の方
インスリン治療とは、足りないインスリンを外から補って血糖値を下げる治療法です。生活の中で無理なく、根気よく続けることが必要です。
でも、糖尿病治療中でも、インスリン治療は特にお金の問題が大きい治療法と言えるかもしれません。
こんなことはありませんか。
「先生にインスリン治療を勧められたということは、治療費が今以上にかかってくる。 こんなこと気にしてるなんて、先生に言いづらいなー・・・」
「インスリン治療中だけど、・・・ 実は打つ量を減らしていたり、来院日をずらしたりしている・・・」
「そもそも、インスリン治療を続けないといけないのかな?・・ でも、先生にこんなこと言ったら怒られるかも・・・」
インスリン治療は、なぜ必要?
イギリスで行われた大規模研究では、将来の合併症リスクを抑えられることが分かっています。糖尿病の合併症が悪化すると大変なことになります。
ですから、合併症の発症と悪化を防ぐことは、とても大事です。
ですが、「そうは言っても、・・・今かかるお金の事が不安」
そう思われる方も多くいらっしゃるでしょう。
不安なのは、あなただけではありません。
糖尿病治療の中断についての研究では、治療中断の理由の上位に、経済的な負担が挙げられています。
「お金をの事を心配しているなんてなんだか恥ずかしい」と思う方もいるかもしれませんが、実は、多くの糖尿病患者さんが悩んでいる問題なんです。
とっても大切だけれど、人には話しづらいお金の事。
ですが、根気強い治療が必要な糖尿病と付き合っていかなければならない患者さんにとっては、見逃せない問題です。
医師や医療スタッフは、患者さんの経済的な負担のことも気にかけており、「悩んでいるなら相談してほしい」と考えています。
治療費で気になることは、気兼ねなく担当の医師や医療スタッフに相談してみてくださいね。
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