中国政府系教育機関講師のビザ発給を拒否 韓国当局

【仁川聯合ニュース】韓国と中国が米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備問題で対立する中、中国の支援を受けて韓国の大学内などに設置された教育機関「孔子学院」の中国人講師のビザ発給を韓国政府が拒否したことが1日、分かった。

 孔子学院は韓国内の22カ所を含め、世界125カ国・地域の約500カ所で運営されている。中国政府の支援で中国語や文化の普及を伝える役割を果たしている。中国は韓流スターの活動を制限する「限韓令(韓流禁止令)」を本格化しており、韓国当局の措置が両国関係に与える影響が注目される。

 複数の韓国の大学によると、法務部の出入国管理事務所は昨年末から大学が申請した孔子学院の中国人講師のビザ(E-2、会話指導)の延長や新規発給を中断した。

 同ビザの期限は1年で、外国語教室などの教育機関が外国人講師を採用する際に発給される。事業者登録証や雇用契約書などの提出が必要で、発給要件は厳しくない。

 韓国当局はビザの発給を中断したことについて、孔子学院の中国人講師が国内機関ではなく中国政府と雇用契約を結んでいるため、E-2ビザの発給はできないと説明している。ただ、大学関係者は「6~7年間問題がなかったビザ(の発給)が突然中断され、困惑している」と話した。

 韓国政府はビザの発給中断とTHAAD配備をめぐる対立とは関係ないと強調している。法務部は「講師の雇用関係や報酬支給システムがE-2講師採用基準に合わないことを見つけた」として、「法令に沿って業務を処理するため、一部の(ビザ)申請を拒否した」と明らかにした。

 また、「出入国管理法令に合わせて運営しようとした以外の背景や意図はない」と強調。「大学側と協議中で、孔子学院関連事業が円滑に運営されるよう最大限支援する計画」とした。

 孔子学院は2004年、世界で初めてソウル市内に開設された。一部の欧州の国では中国政府と共産党の宣伝道具に使われ、学問の自由を害するとの批判の声や閉鎖も求める声も出ている。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース