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【スポーツ】

[カーリング]中部電力、開幕6連勝でPO進出

2017年2月2日 紙面から

富士急戦でストーンを投じた中部電力の松村(真ん中)とスイープする石郷岡(左)と清水=長野県軽井沢町の軽井沢アイスパークで(兼田康次撮影)

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◇全農日本選手権女子

 来年の平昌(韓国)冬季五輪代表選考会を兼ねた第34回全農日本カーリング選手権第3日は1日、長野県軽井沢町の軽井沢アイスパークで男女1次リーグを行い、女子は2年ぶりに出場した中部電力が昨年準優勝の富士急を7−6、続く青森県協会を6−1で下して開幕6連勝。かつて日本選手権4連覇を飾った強豪が4日から上位4チームで争うプレーオフ進出を決めた。また、男子は世界選手権(4月・カナダ)代表で大会最多の5連覇を狙うSC軽井沢クがチーム東京を9−3、札幌学院大を12−3で下して開幕6連勝。こちらもプレーオフ進出を決めた。

 勢いが止まらない。昨年は地区予選敗退で日本選手権の出場すらできなかった中部電力が快進撃を披露。初日に昨年3位の北海道銀行を倒すと、今度は昨年準Vの富士急を撃破。6連勝でプレーオフ進出を決めた。

 「素直にうれしい。きのうの内容はよくなかったけど、きょうはみんなが調子を取り戻してくれた。今はやってきことが出せていると思う」

 スキップの松村が胸を張った。出場4人の平均22・5歳の仲良し女子たちのルールは「楽しむこと。ミスショットでもお互いに怒らないこと」(松村)。この日は第2エンドから逆転、逆転のシーソーゲームだったが笑顔を絶やさない。後攻で迎えた同点の最終第10エンドで1点を奪って大事な1勝をもぎ取った。

 あわや解散の危機を乗り越えてきた。2009年に軽井沢を拠点に創部。11年から日本選手権4連覇を達成したが、ソチ五輪の出場を逃し、サードの市川美余が引退、スキップの藤沢五月がLS北見に移籍したことで一気に弱体化。ソチ五輪後に就任した大日方(おびなた)優次監督は「自然消滅しないようにと思ってやってきた」と振り返る。空中分解の可能性もあったが、残された清水、松村に高卒の新メンバーを加えて再始動していた。

 再建の第一歩はスイス合宿の敢行だった。一昨年秋に約2カ月間滞在して元スイス代表のジャネット・ヒューリマンコーチから基本を教わった。セカンドからスキップに転向した松村は「投げ方、作戦までイチから教わりました」。その後は“通信教育”のように映像を送っては指導されたという。さらに昨年秋もスイス合宿で指導されて、ようやく熟成した。

 「目標は優勝。またきたか、と思わせるのが目的」と大日方監督。この日も休暇を利用した社員約20人が応援。会社のバックアップ体制も変わらないという。残る強敵はかつての同僚がいるLS北見か。優勝すれば平昌五輪への道も開けてくるだけに、単なる『中電旋風』で終わらせるつもりはない。 (兼田康次)

 

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