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県産地鶏新品種、4月から供給 県畜産試験場「名古屋コーチンに負けず」

県産地鶏の新品種=坂井市の県畜産試験場で

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 酉(とり)年の今年、卵も肉もおいしい県産地鶏の新品種がデビューする。県畜産試験場(坂井市)が開発し、四月から県内農家への供給を始める。県のブランド肉として、若狭牛やふくいポークに続く地位を確立させ、農家の所得アップにつなげる。

 新品種は卵肉兼用種で、性格がおとなしいため飼育しやすい。福井市の農家、上道正富さんが品種改良し、産卵能力が高い「ウエミチレッド」と、肉質が良い「岡崎おうはん」を掛け合わせた。産卵率が高い上、肉質は「歯応えがあってジューシー」(同試験場)という。

 大きさは成鶏で二キロと、一般的なサイズと同じ。食肉に加工される生後五百日までに産む卵は、一羽当たり二百八十個を見込む。二〇一四年度に研究を始め、三年がかりで品種決定した。研究費は六百万円。

 飼育管理マニュアルも作成した。餌に県産飼料用米を混ぜるほか、鶏のストレスを抑えるため、一平方メートル当たりの飼育数を、地鶏の規格よりも厳しい六羽以下に設定した。

 計画では、産卵が始まる生後百五十日の鶏を四月から六農家に出荷する。年間の供給数は最大三千羽を予定し、飼育農家数を順次拡大していく。食卓に届くのは卵が五月、肉が来年四月ごろという。

 県内の地鶏開発を巡っては一九九二〜二〇〇三年、肉用種の越前地鶏が販売された。首の長い体形がネックとなり、県外での加工を余儀なくされた結果、流通経費が膨らみ、牛肉並みの価格に高騰。販売中止になった経緯がある。

 同試験場は品種開発の前に市場調査を実施。「二度目の失敗はできない」と、体形だけでなく、歯応えなど県民が好む味も追求してきた。

 担当者は「名古屋コーチンにも負けない」と太鼓判を押す。

 (山本洋児)

 

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