社会に絶望していた学生時代の自分と、こんな話を聞きたいとリクエストをくれた若い友人に向けて書く。
アラサー、社会人、男。これくらいが今の自分のスペックだ。あとは厨二か。遡ること10年前くらい、学生だった頃の自分は、社会人になるということに多くの不安や恐怖を抱いていた。働いていくなんて出来る気もしなかったし、生きていくこと自体に希望なんて特になかった。今振り返ってみれば、その当時の自分が得ていた社会に対しての多くの情報が間違っていて、その結果としてありもしない不安や恐怖を社会に対して抱いていたんだと思う。実際はそんなことはなくて、もっと気楽だし、楽しい。
「死んだ魚の眼をしたようなサラリーマンになりたくない」、といったことは誰しもが思うのかもしれない。私もご多分に漏れず、そんなことを感じていた学生だった。学生だった当時の自分が触れることのできた社会人は、結構限られた人種だったと思う。親や親戚、学校や塾の先生、あとはそれこそ電車で見かけるような死んだ魚の眼をしたサラリーマン達、くらいだろうか。その上で、彼らの直接の本音なんて聞ける機会はほとんどなかったように思う。それゆえに、巷で溢れていた「社会人は大変」だとか、「働いたら負け」だとか、「こんなんじゃ社会に出たらやっていけない」といった言葉に対し、あまり疑問も持たずに生きてきてしまっていた。身近にいる彼らは大変そうだったし、その言葉を裏付けるには十分だったから。今思えばこれらの言葉は半分正解だと思うけど、半分は完全に的外れだ。
社会人は大変。個人的な感覚でいえば、どう考えても学生の方が大変だった。朝から晩まで学校に行って、その後にバイトに行って、なおかつ遊ぶとか、今考えれば異常だ。社会人なんて程度の差があれ、所詮朝から晩までちょろっと働くだけだ。学生と違ってストレスフルなことが多いようにも感じられるが、これらはだいたい対人関係のストレスだ。その意味では、学生時代と大差ない。明確ないじめとかが少ない分、学生時代よりは幾分かマシだ。
楽しい会社なんてない。これは、半分は本当だけど残りは大嘘だ。自分も転職したり仕事に対して色々試行錯誤するまでは、たいして楽しくもなかったし、さっさと辞めてしまいたかった。とはいえ、色々突き詰めていった結果、すごく快適になった。変な話だが、友人と雑談しに行くレベルの気持ちで会社に行ってお金がもらえる感じだ。楽しくない会社は、たいして仲良くもないグループに入って昼飯を食べる時の感じと似ている。その上、グループに入るまで誰がいるのかもわからないっていうところがミソだ。合わないグループだと悲惨だ。合うところが見つかるまでは、探し続けるしかない。もしくは、合わないグループでひたすら愚痴を言うかだ。
社会でやっていけない。これは、完全に嘘だ。大体のことはなんとかなる。多少のミスなんて、だいたい笑って許してくれる。というよりか、世の中はミスばっかりだ。大人もみんな毎日間違ってばかりだ。それでもみんなが幸せに暮らしていけるように、いろんな仕掛けがある。過去や今の人々が、ミスしてもなんでもみんなが生きていけるように、色々と整備してくれた結果だ。だから、こんなんでも社会でやっていける。
会社を辞めたら生きていけない。これも完全に大嘘。全然余裕で生きていける。私は平凡だから会社に依存するしかない、的なことも耳にするが、だいたいの偉い人も平凡だ。多くの起業家や大企業/中小企業の管理職に会ってきて思うが、人間の性能にそんなに大差はない。あるとしたら、その物事に向き合った時間の多寡くらいだ。だから、なんとでもなるし、安心して欲しい。
過去に聞いたような言葉を適当に書き連ねてみたが、だいたいこんな感じだ。一種の僻みや、若者に対しての見栄/優越感、そんなものが生み出した悪しき言葉達だと思う。だいたいなんとかなるし、だいたい楽しい。その前提にあるのは、日々をちゃんと生きるということなのだけれども、そこさえちゃんとやっていれば、誰かが見ていてくれてるし、誰かが拾ってくれる。社会は案外優しい。
社会人については辛い面が語られることが多いが、楽しいこともちゃんとある。
お金がある。なんだか当たり前のことを書くが、まずはこれに尽きる。物欲次第ではあるが、たいていのものは自分で買えるようになる。美味しいお店に行ける機会も増える。それなりの企業に入れば、ボーナスで百万とかはわりと普通だ。何をするか、誰とするかでお金の額自体は変わってしまうのだが、多くの場合金銭的な余裕は増える。それだけで、楽しめることは多くなる。
普通に長期休暇は取れる。学生時代しか長期旅行のための時間が取れない、なんて言葉をよく耳にするが、これは完全に間違いだ。ある程度大手の企業に入れば、10連休くらいは普通に取れる。大手の企業じゃなくても、仕事を辞めれば普通に時間は取れる。さすがに30年間の長期休暇なんてことは資産家じゃない限り厳しいが、数年に一度数カ月程度なら、転職ついでに休みを取れば全然余裕で取れる。有給もある程度溜まっているだろうし、溜まってなかったとしても貯金を叩けば問題ない。このあたりは、休みを楽しむことにどの程度の優先順位を置くかで話が変わるが、休みたいと思えばいくらでも休めるというのが本当のところだ。だらけた後は、しっかり働けば問題ない。
世の中が身近に感じられる。これは、社会人になってしばらく経つまでわからなかったことだが、一番良かったと思えることだ。歳をとっていくと、今までは遠くの何かだったテレビや雑誌、アプリ、建物なんてものの作り手の多くが、友人だったり友人の友人になっていったりする。このサービスってあの人が作ったのかとか、この本ってあの人の昔の上司が書いたのかとか、そんなことがわかるようになると、世の中がもっと身近に感じられて、楽しみがどんどん増えていく。遠かった社会が身近に感じられて、誰かの社会だったものが自分ごとにどんどん置き換わっていく。多分この感覚が、社会人で一番楽しいことなんじゃないかと思う。
社会は誰かの仕事でできている。どっかのCMのコピーだが、まさにその通りだと思う。今楽しんでいるゲームや、綺麗だなと思う建物、美味しいなと思う料理、可愛いなと思う服。これらは全て、誰かの仕事の結果だ。こんな素敵なもの達があるのに、社会が楽しくないわけがない。そこで働く社会人も、多分きっと、楽しいはずだ。そんな目で世の中を見てほしい。きっと、何か違うものが見えてくるから。
社会人が楽しいとか言ってるこういうチャラいやつって パワハラやモラハラやくだらないわがままで周りに毒をまき散らしまくってる 寄生虫キチガイの腐臭しかしない
楽しさというか楽さを語ってる気がするけど大体あってる。 なんか若い人間って無駄に脅されてる傾向にあるけど実際大して怖くないよ。 金と時間を自分の好きなように自由に使ってい...